自宅売却で知っておきたい!売却の流れや費用を業界経験者が解説

自宅を売却しようと思っても、初めての場合は何からすればいいのか分からないものです。この記事では、不動産の売却の流れや売却方法、業者の選び方など、自宅を売却するために必要な知識をわかりやすくまとめています。参考にしながら計画を立てましょう。


自宅売却で知っておきたい!売却の流れや費用を業界経験者が解説

自宅の売却で失敗しないためには、ある程度必要な知識を身につけておく必要があります。知識がないと、低い価格で売ることになってしまったり、売却すらできなかったりすることがあるので気をつけましょう。

必要な知識と言っても、専門家のように難しいことまで覚える必要はありません。専門的な知識が必要になった場合は、仲介業者の担当者に相談しながら進めることができますので、売却の流れや期間、準備すること、売却の方法などを大まかに把握しておくだけでも十分です。

初めての自宅の売却で成功できるよう、これから必要な知識をわかりやすく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

この記事の監修者プロフィール
台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。  日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

売却の流れとそれぞれの期間の目安

自宅を売却する予定があるなら、「自宅の価値がどれくらいあるのか」を知ることが第一です。まず価値を把握してから、次の売却の流れを確認していきましょう。

不動産の査定を依頼する

自宅の価値を知る方法は、不動産業者に「査定」を依頼する方法と、不動産鑑定士に「鑑定」を依頼する方法の2つがあります。

「査定」は、いくらなら売れそうかを不動産業者が判断して提示した金額ですので、査定額のまま売却できるわけではありません。

「鑑定」は、不動産鑑定士または不動産鑑定士補と呼ばれる専門家が鑑定した評価額で、査定よりも正確な相場価格を知ることができます。しかし、不動産鑑定士が出した評価額であっても、その金額で売却できるとは限りませんので注意が必要です。

不動産業者の査定は無料で行ってくれることが多いのですが、鑑定の場合は費用がかかります。結論から言うと、自宅の売却の場合は不動産業者の査定で十分です。

ただし、業者によって査定額や売却計画などに違いがあることから、査定を依頼する際には、1つの業者だけに依頼するのではなく、なるべく複数の業者に依頼して比較することがポイントです。

その一つの方法として、無料一括査定サイトを利用すれば査定の比較が最短60秒で手続きでき、1週間以内には査定結果が分かるので便利です。もっと早く結果を知りたい方は、訪問査定なら1~2時間程度で済みます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

不動産業者を選ぶポイントとして次のようなことを言ってくる業者には気をつけましょう。

  • 相場に比べてあまりにも高すぎる査定価格を出してくる業者
  • 物件の情報をしっかりと調べずに査定を出してくる業者
  • 根拠がないのに聞こえの良いことを次々と並べ立てる業者(「ちょうどこのような物件を探しているお客様がいます!」「この物件は今売れ筋です!」など)
  • 知識や情報があきらかに不足している担当者がいる業者。

不動産業者と媒介契約を結ぶ

売却の仲介を依頼する不動産業者を決めたら媒介契約を結びます。その場合、「専属専任媒介」と「専任媒介」「一般媒介」の3種類から選択する必要があるので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを事前に把握しておきましょう。

専属専任媒介について

専属専任媒介の特徴やメリット、デメリットは以下の通りです。

  • 仲介を依頼できる業者は1社のみ
  • 自分で買い手を見つけたとしても、必ず業者を通す
  • 契約期間の上限は3カ月
  • 業者は媒介契約成立から5日以内にレインズ(指定流通機構)へ物件を登録することが義務づけられている
  • 業者は1週間に1度以上は依頼者に状況を報告しなければならない

専属専任媒介のメリットは、業者は期間内に買い手を見つけないと契約できないため、売れる確率は高いことです。一方で、デメリットとしてあげられるのは、自分で買主を見つけたとしても、仲介業者を介して契約しなければなりません。

専任媒介について

専任媒介の特徴は以下の通りです。

  • 仲介を依頼できる業者は1社のみ
  • 自分で買い手を見つけた場合、業者を通さずに契約できる
  • 契約期間の上限は3カ月
  • 業者は媒介契約成立から7日以内にレインズ(指定流通機構)へ物件を登録することが義務づけられている
  • 業者は2週間に1度以上は依頼者に状況を報告しなければならない

専任媒介は、自分で買主を見つけた場合は、仲介業者を介さずに契約することができます。

一般媒介について

一般媒介の特徴は以下の通りです。

  • 複数の仲介業者に依頼することができる
  • 自分で買い手を見つけた場合、業者を通さずに契約できる
  • 契約の有効期間はなし(行政指導は3カ月以内とされている)
  • 業者はレインズ(指定流通機構)への物件登録義務はない
  • 業者は依頼者に状況を報告する義務はない
  • 契約方法は明示型(他に契約した業者を通知する)、非明示型(通知しなくても良い)がある

一般媒介は、自由度が高いため、幅広く買い手を探せるが、業者が販売活動にあまり力を入れてくれない場合があるので、売却までに時間がかかることがあります。

それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので、どの媒介契約が良いとは一概に言えません。内容を把握し、自分に合う媒介契約を選びましょう。

売却活動の開始

引っ越しや転勤など、環境の変化が起こりやすい時期は不動産が売れやすくなるなど、1年間の中でも時期によって不動産が売れやすい時期と売れにくい時期があります。一般的に売れやすい時期は1月から3月頃、その次が9月から11月頃です。

不動産の売却にかかる平均期間は、マンションが6カ月、戸建ては8カ月とされているので、逆算した時期から売却活動を開始するとよいでしょう。

すぐに売れるとは限らないことも考慮し、計画や準備はなるべく早くすることをおすすめします。

価格交渉をして売買契約を結ぶ

買主が見つかり、条件や価格でお互いに合意を得たら売買契約を締結します。

契約成立後に不動産の問題が発覚するなどした場合、違約金が発生したり契約が解約になったりする恐れがあるため、契約の前に現状で何か問題点があれば、包み隠さず全て伝えましょう。

契約が成立し、売却代金を受け取るタイミングは、売買契約を結んだ時と、引き渡しの時の2回に分けるのが一般的です。売買契約を結ぶ際には、手付金として売却価格の5~10%程度を買主から受け取り、その残りを引き渡しの時に受け取ります。

物件引き渡し準備と引越し

物件引き渡しの際には、住宅ローンなどで抵当権が設定されている場合はその抹消手続と所有権移転手続きを行います。

引越しの準備は、引き渡しの1カ月前頃から開始しましょう。引越し業者の手配も、繁忙期にはスムーズに行かないこともあるので、余裕を持って準備をしておくことが大切です。

引越しの2週間前には固定電話の解約手続き、1週間前には住民異動届の提出と、電気やガス、水道などの公共料金を支払っている業者への転居の連絡、郵便局へ転居届の提出などを行います。

物件引き渡しと残代金受取

物件引き渡しまでに、あるいは引越し当日に、公共料金の精算を済ませておきましょう。

引き渡し手続きは、買主が住宅ローンを借りる銀行で、売主と買主、不動産業者、司法書士が集まって行い、その日に残代金を受け取ります。

また、ほとんどの銀行が平日しか営業していないため、引き渡し手続きも、営業時間に合わせて平日の日中に行われることが多いです。そのため、仕事を休むなどのスケジュールの調整も必要になります。

不動産の売却方法

不動産の売却方法

売却方法は1つではありません。さまざまな売却方法があることを知っておくことで、自分に合う方法を選ぶことができます。

すぐに現金化できる直接買取

すぐに現金化したいという方は、不動産業者に直接買い取ってもらう方法があります。

メリットはすぐに現金化できることですが、その一方で買取の場合、買取額が市場価格の7割程度の買取額になってしまうことがデメリットです。

業者も再販目的で買取をするため、利益を考えて買取額を設定します。また、リフォームや修理などが必要となり、その分のコストも差し引く必要があるため、どうしても買取額が低くなってしまうのは仕方ありません。

売却価格を設定できる仲介

少しでも高く売りたいなら、自分で売却価格を決められる「仲介」を利用したほうが良いでしょう。そのほうが、「買取」よりも高く売却できます。

ただし、不動産会社に手数料を支払う必要はあります。次に「買取」と「仲介」のメリット・デメリットをまとめたので、それぞれを比較して自分に合う方法を選択しましょう。

メリット デメリット
買取
  • すぐに現金化できる
  • 近所に売却までの様子を知られることが少ない
  • 売却価格は低くなる
仲介
  • 買主との価格交渉ができるため、買取よりも売却価格が高くなる可能性が高い
  • 仲介手数料がかかる
  • 売却に時間がかかる(売れない可能性もある)
イエイ|不動産・マンション一括査定

不動産会社を選ぶポイント

不動産会社を選ぶポイント

仲介業者を選ぶ際に、複数の不動産会社を比較し、より良い業者を選ぶことがもちろん大事なのですが、どのようにして選んだらよいのか悩んでしまう人も多いでしょう。仲介業者選びに悩まないように、いくつかのポイントを説明します。

1.免許番号と行政処分歴を確認する

まず何よりも、信頼出来る業者を選ぶことが大事です。そのために、業者の免許番号と行政処分歴を確認しましょう。

不動産の売買の仲介には、宅地建物取引業の免許が必要ですが、稀に悪徳な業者が無免許で取引をしようとすることがあります。そのような悪徳業者を避けるために、免許の確認をしたほうが安心です。

国土交通省各地方整備局や都道府県庁の宅建業免許を担当する部署に行けば、宅地建物取引業者名簿を閲覧でき、免許の有無の確認と、過去の実績や行政処分歴が把握できます。閲覧は無料の場合と、1件につき300円などと有料の場合があり、都道府県によって違うので注意してください。

なお、免許には国土交通大臣免許と各都道府県知事免許の種類があるため、詳細については、それぞれ交付した行政機関で確認しましょう。国土交通省と一部の都道府県の場合は、インターネットで情報確認ができます。

2.大手にこだわる必要はない

悪徳業者に引っかからないようにするために、大手の業者を選ぶ方が安心感があると思われるかもしれません。しかし、必ずしも大手のほうが売却に有利というわけでもないので、業者の規模はそれほどこだわる必要はありません。

特に地方の場合は、地元の中小規模の業者のほうが良い場合もあります。大手の場合は全国にネットワークがあることがメリットですが、地方の特定のエリアに限定してみると、顧客情報の蓄積や地域の実情に詳しいことなどのメリットがあるため、地元の業者の方が売却に有利なことがあります。

ただし、これはあくまでも一般的な傾向なので、各業者の営業の販売力を見極めて判断しましょう。

3.売買物件の媒介業務をしている不動産会社を選ぶ

不動産会社の業務を大まかに種類分けすると、「開発」「流通(仲介)」「管理」の3つとなります。

どのような業務を中心に行っているのかは宅の売却を依頼する業者としてふさわしいといえるでしょう。業者のホームページで判断できます。トップページに売買に関する記載があれば、仲介を取り扱っていると判断できるので、自分でも一度しらべてみましょう。

4.担当者との相性も重要

いくら評判が良い業者だったとしても、必ずしも良い担当者にあたるとは限りません。

売却までは長い期間がかかりますので、その間担当者と密に連絡を取り合うことが多々あります。もし相性が悪い担当者で話し合いが上手くできなかった場合、売却も上手くいかなくなるかもしれません。

媒介契約を結んだ後に、担当者との相性が悪いと気づいた場合は、不動産会社を変えることは難しいです。その場合は、遠慮なく担当者の変更を申し出ましょう。業者を選ぶ段階で、担当者の変更が可能かどうかを確認しておくことをおすすめします。

5.査定額で決めない

査定額が必ずしも売却額になるとは限りません。媒介契約を結びたいがために査定額を相場以上に高く設定し、後に「売れない」という理由から大幅な値下げを強いる業者もいます。このようなやり方があまりにも露骨な場合は、悪徳業者の一種であると言えますが、売れないから値下げをするというのは実際によくあることです。

悪徳業者に騙されないためには、価格の相場を知り、提示された査定額が適正価格かどうかを判断することがポイントとなります。価格の相場を知るためにも、査定を数社に依頼して比較しましょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

ここに記載されているように、複数社に査定を依頼するというのが一つの方法です。他には、自分でだいたいの査定額を調べておくという方法があります。レインズインフォメーションなどのサイトがおすすめです。

6.店内の様子を確認する

店内の様子から、その業者の良し悪しを判断することもできます。例えば、店内が汚れていたり、言葉づかいや態度などのマナーが悪かったりしたら、あまり良いサービスは受けられない可能性があるため、選ばないほうが良いでしょう。

整理整頓が行き届いていて、スタッフの言葉づかいや態度、姿勢、身なりもきちんとしているところは信頼度が高いです。

7.査定サイトで相場を把握しておこう

まずは一括査定サイトを利用して、相場を把握しておきましょう。査定サイトにも色々ありますが、無料で査定ができ、信頼度が高いサイトの「イエイ」の利用がおすすめです。

イエイを利用してすぐに1社に決めなくても、査定結果を見て2~3社に候補を絞るだけでも有意義なものとなります。

候補を絞ったら、1つずつ、担当者の対応や店内の様子などの詳細な情報を調査し、自分に合う1社を決めるという方法もおすすめです。

無料一括査定サイト「イエイ」の特徴

イエイ|不動産一括査定

いくつかある一括査定サイトの中でも、イエイは魅力的な特徴がたくさんあるのでおすすめです。その魅力のすべては紹介しきれないので、厳選した特徴を2つにまとめました。

サービス名 イエイ
登録社数 1,700社以上
利用者 400万人以上
査定時間(机上査定) 最短60秒
査定料 無料
公式サイト 【イエイ】不動産・家・マンションの売却一括査定

大手の不動産会社が運営している無料査定サイトはいくつもあります。しかし、ほとんどが10年以下の運営歴です。

一方、イエイの運営開始は、2008年(前身は2006年)なので、10年以上もの歴史があります。長い年月とともに約400万人という利用実績を誇っているため、信頼度の高さは群を抜いて高いです。

一括査定はあくまでもネットを通したサービスがメインですので、利便性が高いと同時に騙されないかという不安もあります。そのため、長い実績があり、信頼できるイエイは利用する価値が高いといえるでしょう。

イエイで不動産を一括査定する

様々な不動産業者の査定額がわかる

幅広く対応してくれることもイエイのメリットの一つです。大手の査定額だけではなく、地元に詳しい不動産業者の査定額もわかるので、都市部に限らず地方の方でも有効的に使えます。

これも、長年の実績から積み上げられてきた幅広いネットワークがあるからこそで、取引実績はなんと1,000社以上です。

診断は、「物件タイプ」「都道府県」「市区町村」「エリア」を入力するだけなので簡単です。そこから売却予定の場所に合う業者を選び出し、一括査定を提示してくれます。

売却に必要な書類

売却に必要な書類

自宅を売却にはさまざまな書類が必要です。マンションと戸建てでは必要書類が異なったり、書類によって有効期限があったりと、確認することや注意することがたくさんあります。

1つずつ文章で説明すると複雑になってしまうので、必要な書類を表にしてまとめました。

なお、必ず必要な書類と、場合により必要な書類とがあります。表記は、必ず必要な書類が「〇」、場合により必要な書類(または、仲介業者が準備してくれる書類)は「△」、必要ない書類は「×」です。

取得先 書類 戸建て マンション
売主自身、役所 身分証明証
実印
印鑑登録証明証(※3カ月以内のもの)
住民票(※3カ月以内のもの)
法務局(登記所) 登記済権利書、または登記識別情報
登記簿謄本(登記事項証明書)
地図(公図)
不動産所有者 固定資産税納税通知書、課税明細書
ローン残高証明書
建築確認済証・検査済証 ×
マンションの維持費に関する書類、管理規約、使用細則 ×
間取り図、パンフレット、広告
その他 耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書等
地盤調査報告書、住宅性能評価書、既存住宅性能評価書等
付帯設備および物件状況確認書
土地測量図・境界確認書 ×

※必要な書類は条件により異なります。必ず業者に確認しながら準備を進めていきましょう。

不動産売却にかかる費用と税金

不動産売却にかかる費用と税金

不動産を売却するためにはさまざまな諸費用と税金がかかります。諸費用の内容と金額を確認し、売却の計画と同時に必要なお金を用意しておきましょう。

不動産売却にかかる諸費用

まずは売却にかかる諸費用の内容と金額を1つずつ説明していきます。

不動産業者に支払う仲介手数料

仲介手数料は、仲介で売却した場合のみかかる費用で、買取の場合はかかりません。仲介手数料の上限を定めた法律は2018年1月1日に改定されています。詳細は次の表を見て確認しましょう。

売買価格 仲介手数料の上限
売買価格税込が200万円以下の場合 5%
売買価格税込が201万円以上400万円以下の場合 4%+2万円
売買価格税込が401万円以上の場合 3%+6万円
黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

こちらで紹介しているのは上限の金額になるので、これ以下にしてもらうことも可能です。

全額繰上返済の手数料

もしローンが残っている場合は、全額繰上返済をする必要があり、その際に手数料がかかります。手数料は手続きの仕方によって金額が変わるので、金融機関で確認しましょう。

例えば、インターネットバンキングでネット上の手続きで済ませる場合と、窓口を経由して手続きをする場合と比較すると、インターネットバンキング上のほうが手数料が安くなるケースがほとんどです。

司法書士に支払う抵当権抹消登記費用

ローンを組んだ際に、返済できなかった場合に備えて、金融機関は不動産を差し押さえることができる「抵当権」を設定しています。売却する場合は抵当権を解除しなければならないため、抵当権抹消登記の手続きが必要です。

抵当権抹消登記の手続きにかかる登録免許税は1筆1,000円で、司法書士に書類作成を依頼した場合、報酬として8,000円~12,000円程度かかります。

不動産売却で支払う税金

売却で支払う税金もいろいろな種類があるので、1つずつ見ていきましょう。

登録免許税と印紙税

売却益が出たかどうかに関係なく、登録免許税と印紙税は必ず支払う税金です。

登録免許税は、「不動産の固定資産税評価額×登録免許税の税率」という計算で求めることができます。登録免許税の税率は、売却の場合は2%です。

なお、2020(令和2)年3月31日までに契約書が作成される場合、契約金額が10万円を超えると印紙税額は軽減措置がされます。次の表は、売却金額ごとの印紙税額をまとめたものです。10万円超からは軽減措置された金額を記載しています。

売買契約書に記載のある売却金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上 10万円以下 200円
10万円超 50万円以下 200円
50万円超 100万円以下 500円
100万円超 500万円以下 1,000円
500万円超 1,000万円以下 5,000円
1,000万円超 5,000万円以下 10,000円
5,000万円超 1億円以下 30,000円
1億円超 5億円以下 60,000円

所得税と住民税

売却益が出た場合は、譲渡所得に所得税と住民税が課税されます。また、2011(平成23)年12月2日からは復興特別所得税「所得税×2.1%」の支払いも必要です。税率は所有した期間により異なります。次の表で確認してください。なお、住居用の税率です。

長短区分 短期 長期
期間 5年以下 5年超
所得税 30.63% 15.315%
住民税 9% 5%
合計 39.63% 20.315%

※所得税の税率は、復興特別所得税「所得税×2.1%」を上乗せしています。

売却費用にかかる消費税

消費税も売却益の有無に関係なく必ず支払いが必要です。仲介手数料、司法書士報酬、住宅ローンの一括返済手数料などに消費税がかかります。ちなみに、土地や個人の建物の代金は非課税です。

例えば、3,000万円の売却で仲介手数料として96万円支払う場合、消費税10%で96,000円が別途必要となります。高額な取引になるほど、消費税の負担も大きいです。

イエイ|不動産・マンション一括査定

不動産売却に際に気をつけるポイント

不動産売却に際に気をつけるポイント

売却の際に気をつけることはいくつかありますが、その中でも「計画性」「価格設定について」「自宅のクリーニング」の3つに焦点を絞り、これらの注意点を1つずつ説明していきます。

大まかなスケジュールを立てておく

不動産は最短で売れた場合でも2カ月はかかるとされており、一般的にはそれ以上の期間を要することが多いです。また、売りに出せば必ず売れるというものではありません。よって、できるだけ早く高く売却するためには計画性が必要です。

まずは「いくらで売りたいか」「いつまでに売りたいか」を設定します。また、値下げをする時期もあわせて決めておくと良いです。

媒介契約は、専任の場合だと契約期間の上限3カ月で更新となります。売却する時期の目安は2回目の契約更新の際の「半年後」に設定するのが適当です。より余裕を持って半年から1年程度で売却することを想定し、大まかでいいのでスケジュールを立てておきましょう。

価格交渉は考慮しておく

長く売れ残ってしまうと、値下げを余儀なくされて、市場価格よりも安く売却しなければならない可能性があります。そもそも、購入希望者との価格交渉は不動産の売買にはつきものです。

一般的にはじめに値下げを考えるタイミングは「売り出しから3カ月経過しても反響がない場合」で、次に価格交渉が行われるタイミングは「購入希望者が現れたとき」となります。そのため、最初からいくらまでならば価格を交渉できるかを考慮して、売り出し価格は高めに設定しておきましょう。

価格設定の具体的な数字は不動産によりますが、例えば希望価格よりも150万円以上高めに売り出し価格を設定したとします。そして、その後の値下げや価格交渉などにより、150万円の値引きをした上で、希望価格に近い価格で売ることができれば売却成功だと言えるでしょう。

できる限りきれいな状態にしておく

売却の際に、整理整頓や掃除は必須です。室内をきれいに見栄え良くするためだけでなく、売主の心象を良くするためにも、細かいところまで掃除をしておきましょう。

買主は、物件だけでなく、どのような人が住んでいたのかというところまでチェックします。

売却を成功させるだけでなく、買主への配慮はとても重要です。

自宅売却に関するQ&A

売却に関するQ&A

売却に関してよくある疑問・質問をまとめました次のQ&Aの中に、あなたが抱いている疑問と同じようなものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

ローン中の家は売れますか?

住宅ローンが残っている家を売りたい場合、売却前にローンを完済して抵当権を外せば売却できます。

例えば、2,000万円のローンが残っていて、1,500万円で売却する場合、残りの500万円を現金で用意できれば売ることが可能です。

ただし、実際は、他にも仲介手数料や印紙代などの諸費用がかかるので、プラス数十万円~100万円は必要です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

ローン中の家の売却で大切なことは、いかにローンを完済させるか(=抵当権を外すか)ということです。例えば資金が足りない場合は、足りない分を住宅ローンとは別の借り入れをしてローン完済する方法が一般的だと思います。なので、どちらかと言えば、任意売却は(さらに競売は)「最終油断」的な感じになります。

価格が決まる要因は?

不動産の価格が決まる要因には、主に立地条件、経済の動向、不動産の築年数、 オリンピックなどのイベント、再開発地に指定されているかなどがあります。

まず不動産の「土地」に焦点を当てると、土地の広さや形状、ライフラインの整備、建築制限があるかどうか、接する道路の広さなどがポイントです。

「建物」に焦点を当てると、築年数、広さ、間取り、日当たり、建物の利用制限(マンションの場合はペットの可否など)、マンションの場合は角部屋や回数などの部屋のグレードなどが価格に影響します。

「立地」に焦点を当てると、再開発地に指定されているかどうか、周辺環境が整っているかどうか、利便性の高さなどがチェック項目です。

その他、経済の動向、オリンピックなどのイベントも価格が決まる要因となります。オリンピックなどの大きなイベントがある年の前後は、経済の動向が大きく動いて不動産の値動きに影響が出る可能性が高いからです。

売却に適したタイミングはいつ?

「もう少し待てばもっと高くなるかもしれない」という期待は禁物です。

不動産価格は常に変動しているので、売るタイミングを待ってしまうと価格が下がる可能性もあります。買ったときの価格より高ければ売りどきだと考えましょう。

築年数で判断する場合は、戸建ての場合は15年まで、マンションの場合は6~15年までが目安です。

それ以上経つと、設備の修繕費用がかかってくるため、建物の価値は急激に下がります。特に、マンションの場合は築年数の問題は重要視するべきです。戸建ての場合は土地の価値の影響が大きいため、その分下落を抑えられます。

なお、戸建ては築26年以降、マンションは築21年以降に建物の価値はほぼなくなり、それ以降はほぼ土地や立地による価格だけの取引です。ここまで経っていたら、焦って売る必要もありません。

税率で考えると、所有期間が5年以下だと高くなってしまうので、5年を過ぎてから売却したほうが良いです。

また、オリンピック開催の前である2019年に、価格上昇のピークを迎えると予想されており、開催後は価格が下落する可能性があります。世間や業界関係者の間では「2020年問題」と呼ばれており、オリンピック開催後は不動産価格の暴落が起こると予想する人が多いです。

このように、さまざまな観点で売却のタイミングを考えることができます。

不動産売却を成功させるためには流れを理解し入念に準備を行う

不動産売却を成功させるためには流れ

売却を成功させるためには、事前にしっかりと計画や戦略を立てて、入念に準備を行いましょう。

売却の準備としてまず行うことは、自宅の価値を知るために業者に査定を依頼することです。無料一括査定を利用すれば、複数の業者の査定を一度に比較することができるので、より良い業者を見つけやすくなります。

また、仲介を依頼する業者の良し悪しでも売却価格に差が出てしまうので、業者選びには力を入れましょう。

信頼できる業者と媒介契約を結んだら、あとはより希望に近い価格で売れるように計画を立て、売却活動を進めていくだけです。基本的に売却活動は仲介を依頼した業者の担当者が進めてくれますが、その前に売り出し価格を決める作業があります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

売り出し価格のまま売れるケースはほとんどありません。大体は売却活動を始めた後に値下げが行われるため、少し高めに設定しておくことをおすすめします。信頼できる業者であれば、売り出し価格の相談もスムーズにできるので、やはりはじめの段階でより良い業者を選ぶことは大事です。

黄威翔 / 宅地建物取引士
黄威翔 / 宅地建物取引士

不動産会社に長年勤務し、不動産売却の国家資格「宅地建物取引士」を取得。中古不動産の売買仲介に関わり、日本全国の売主のお客様から貴重な財産を預かっています。専門家の視点から不動産売却の知識をわかりやすく解説します。

関連キーワード