空家の対策方法を知ろう|放置するリスクやおすすめの相談先など

空家対策をされていますか?空家を放置するとさまざまなリスクが浮上します。空家の対策方法や相談先を知っておくことで、リスク回避に繋がります。何か問題が起きる前に活用方法を早めに考えておきましょう。


空家の対策方法を知ろう|放置するリスクやおすすめの相談先など

不動産相続などで自宅とは別に家を手に入れると、使用せずに空家にしてしまうことがあるかと思います。使わないからといって、空き家をそのまま放置するのは危険であり、多数のデメリットがあります。

しかし、デメリットに気づいていながら、どのように対処すべきか分からず困っている人も多いようです。空家を放置するとどのようなリスクがあるのか、その対策も含めて知り、適切な方法で処分を決めましょう。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

この記事の監修者プロフィール
台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。  日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

こちらから査定を依頼できます!

イエウール不動産一括査定 【あなたの不動産いくらで売れる?】
イエウールで最大6社の売却価格をまとめてお取り寄せ! 質問に答えて無料診断する

空家の定義について

空家の定義について

一般的にイメージする空家と法律上の観点では、少し意味合いが異なります。

空家の定義は「空家対策特別措置法」で定められており、保安上危険なものなどは「特定空家等」に指定されます。

空家対策特別措置法の空家の定義

空家の定義は「空家対策特別措置法」という法律によって決められています。この法律では空家等は次のように定められています。

建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)」(第2条第1項)

簡単に言えば、家などの建築物や、敷地内に建てられている家以外の建物で、住むまたはその他の目的で使用されていないものを空家としています。

ポイントは、家以外でも敷地内の工作物は空家等の対象となることであり、放置している建物は空家とみなされるため注意しなければなりません。

また、使用や居住が常態化されていないという点から、低頻度でも使用している別荘などは、空家の対象外となります。空家等は個人所有の建造物のみが対象となり、国や地方公共団体が所有、または管理しているものは、同じような状態にあっても空家とはされません。

特定空家等の定義

空家等の定義はさらに狭義のものがあり、通常の空家等と定められた中から、特定の状態にあるものを「特定空家等」と指定する場合があります。

特定空家等とは、空家等に該当するもののうち、倒壊や崩落などで保安上の危険が著しく高いもの、または、衛生上著しく有害とされるものが該当します。

また、周囲の景観を著しく損なう場合も特定空家等と認められ、老朽化して長らく放置された建物は、これに該当しやすくなると考えましょう。

特定空家等に定義されるものは、放置するのが特に危険なため、できるだけ早めに対処しなければなりません。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

このような状態だと、中古住宅として売ることはできませんので、古家付き土地として売却するか、建物を解体して更地にして売却するのが良いかと思います。

特定空家等を決めるのは各市町村

空家等の中でも特に危険度の高い特定空家等については、各市町村で認定されます。これは進行する空家問題を食い止めるために、各市町村に空家の抑止を行える法的権限が付与されたことが理由です。

特定空家等と定められた建物は早急に対処しなければならないことから、行政が立ち入り調査することを認められています。個人の意思に関係なく立ち入り調査は行われるため、放置し続けた空家は、行政からの介入の可能性があることは知っておきましょう。

イエウール

空家をそのまま放置しておくとどうなるのか

空家をそのまま放置しておくとどうなるのか

空家は法的に定義されるものであり、あまりに放置すると行政が介入し、問題に発展することもあるため、素早く対処しなければなりません。

行政が介入する以外にも問題は多数あり、放置することには多くのデメリットがあります。空家を放置し続けるとどのような問題が起きるのか、リスクの高さを知っておくことが大切です。

建物が傷んで資産価値が下がる

空家といっても不動産であることには変わりなく、当然いくらかの資産価値はあります。しかし、放置すると建物は傷んでしまい、資産価値が日ごとに下がっていくため注意しなければなりません。

建物の種類にもよりますが、使用していない建物は劣化スピードが速く、居住している住宅よりも加速度的に傷んでいきます。

特に、長年放置して空気の入れ替えを行っていないと、湿気によってカビが生えたり、そこから腐食が進んで家中がボロボロになることも少なくありません。

入手してすぐに売却したなら十分な利益が得られる建物でも、長年空家のまま放置していると、まったく利益が出ないどころか、処分の費用が高くつき、赤字になることもあります。

固定資産税は払わなければいけない

所有している不動産は、どのような状態でも固定資産税を支払わなければならず、これは空家でも同じです。

金額は建物によって違いますが、定期的に出費があるのは確かであり、使用しない家のために税金を払い続けるのはもったいないでしょう。

手放すか有効活用することで固定資産税の払い損はなくなります。ただ税金を支払うだけにならないように対策を考えることが大切です。

近隣住民とトラブルになりやすい

空家の周辺に住民がいる場合は、その人たちとトラブルに発展する可能性があります。空家のまま放置すると、倒壊の危険や衛生面での問題、敷地の草木の繁茂や景観を損ねるといった、多数の問題があります。

これらの問題から住民が苦情を出すケースは多く、所有者に早急な対処を求めるよう抗議することは少なくありません。

また、空家の敷地からはみ出した草木が、近隣住民に何らかの損害を与えた場合は、建物の所有者がこの責任を負う必要があります。

知らないところでトラブルが発生し、賠償責任を負わなければならないこともあるため注意が必要です。実際的に被害を及ぼさない場合でも、空家は犯罪のターゲットになりやすく、不法侵入や盗難といった問題を引き起こす可能性もあります。

その気がなくても犯罪を助長することになってしまったり、周辺の治安を脅かしたりする結果になることもあるため、責任を持って何らかの対策を講じる必要があります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

トラブルにならないためにはきちんと管理する以外に方法はないかと思います。遠方で通うのが難しい場合は、空き家管理会社などに依頼することもできます。

固定資産税の軽減対象から外される場合がある

建物や住宅用地は、様々な条件を満たすことで固定資産税の軽減措置が受けられます。

しかし、軽減措置を受けている場合でも、特定空家等に指定されると、この対象から外れることがあります。

市町村から特定空家等に指定されると、改善するように助言や指導がなされ、これに従わない場合は、税制優遇の解消となることがあります。助言や指導に対して素早く応じるなら軽減措置は続行されますが、これを放置し続けると、固定資産税の負担はより大きくなってしまいます。

責任を問われることもある

所有者はその不動産に対しての責任を担っており、特定空家等に定義されると、その責任を問われ、罰金や費用の支払いを求められることがあります。責任を問われるのは特定空家等に指定され、市町村からの助言や指導、勧告に従わない場合です。

市町村はまず空家の立ち入り調査を行い、その不動産の所有者を割り出します。その後所有者に対して書面で改善するよう通知を行い、それに応じない場合は勧告となります。勧告では空家の除却、つまり処分を求められることがあり、これに従わないと50万円以下の過料となるため注意しなければなりません。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

立ち入り検査は、検査費の5日前に通知されるようです。拒否はできないようです。

また、早急な対処が求められる場合は、所有者に代わって市町村が空家の撤去等を行います。なお、この時かかった費用は所有者の負担となります。

不動産を失うだけではなく、処分費用も請求されるため、金銭的なマイナスは大きいでしょう。

空家の対策方法

空家の対策方法

空家をそのままにしておくリスクは高いため、素早く対処しなければなりませんが、どのような行動をすべきか迷う人も多いでしょう。空家の対策では、次の4つの方法が挙げられます。

  • 売却して現金化する
  • 賃貸で人に貸す
  • 業者に管理を委託する
  • 更地にして土地として活用する

空家をどのように扱いたいかを考え、自分に合った方法で対策を講じることが大切です。

売却して現金化する

空家を今後も利用する予定がないなら、素早く売却してしまうことがおすすめです。

売却することで少なからず現金化することができ、かつ管理にかかる費用や手間、固定資産税のコストからも解放されます。仮に安くでしか売れなかったとしても、大幅なコスト削減になるため、金銭的なメリットは大きいでしょう。

空家でも状態がよいなら高値で売れることも多く、早く売却するほど利益を出しやすいです。空家の劣化スピードは速く、資産価値の減少も早いため、不要と判断した時点で素早く売却活動を始めることが大切です。

賃貸で人に貸す

建物がまだ利用できそうで、処分するのがもったいないのであれば、そのまま残して賃貸に出すという方法もあります。

賃貸物件にすることで、建物の管理は入居者に任せることができ、入居者がいる限り、家賃分の収入を得続けることができます。

ただし、賃貸に出す際には入居者が確保できるか、家の状態に問題はないかなどを確認しなければなりません。賃貸需要のない場所では、仮に賃貸に出したとしても入居希望者が一向に集まらず、管理の費用ばかりかさんでしまうことも多いです。

また、すでに建物の状態が悪くなっている場合は、賃貸に出す際に修繕やリフォームが必要です。これらを行っても家賃で費用を回収できるかどうか、ある程度の経営プランを考えてから、賃貸に出すようにしましょう。

業者に管理を委託する

空家を残し、何らかの方法で活用したいものの、管理の手間を割けないという場合は、業者に管理を委託するのもひとつの方法です。管理委託には費用がかかりますが、自分で空家を管理する手間は省け、時間的なコストは大幅に削減できます。

また、賃貸物件にする場合でも業者に委託して管理してもらうことは可能であり、手間をかけずに家賃収入を得ることも、不可能ではありません。もちろん、業者に任せっきりにせず、時折自分でも様子を見に行くことは必要ですが、管理の大部分を第三者に任せられるため、活用はしやすいでしょう。

更地にして土地として活用する

建物の再利用方法がない、あるいは老朽化が進みすぎて、倒壊の危険性が高いという場合は、更地にして、土地部分だけ再利用するという方法もあります。

建物の解体費用はかかりますが、土地のみの活用ならランニングコストは低く、方法次第で無理なく収益を上げられます。更地の活用方法は様々ですが、代表的な例は次の通りです。

  • 駐車場
  • トランクルーム
  • 太陽光発電

周辺で駐車場需要があるなら、コインパーキングや月極駐車場がおすすめであり、初期費用もそれほどかかりません。また、車の往来が少ない場合でも、近隣に住宅があるなら、トランクルームとして活用できる可能性はあります。

車の往来や人通りも少ない場合は、太陽光発電装置を置いて、収益に繋げることも可能です。賃貸ほどの利益が出ないことも多いですが、土地活用は初期費用とランニングコストが安いため、継続的に活用しやすいことがメリットです。また、土地活用の場合も賃貸と同じで、業者に委託して管理してもらうこともできます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

駐車場ならば駐車場会社、トランクルームならばトランクルーム会社というように、それぞれの会社に相談する方が良いかと思います。

イエウール

空家問題の相談先

空家問題の相談先

空家問題が発生した際の対策は複数ありますが、実際に起きてみると、どのように対処することが正解なのか分からず悩むことは少なくありません。

不動産の活用や処分は大きな金額が動くことも多いため、無理に進めずあらかじめ専門家に相談することが大切です。空家は日本全体の問題となっているため、相談できるところは数多くあります。

地方自治体の空き家対策の窓口

空家をどのように扱ってよいのか困っているなら、まずは地方自治体の空家対策窓口に相談してみるとよいでしょう。

自治体ごとに窓口の課が異なるため、事前にホームページなどで調べておく必要があります。窓口に直接相談しに行くだけではなく、電話相談も可能なため、積極的に活用してみましょう。

NPO法人空家・空地管理センターの相談窓口

空家対策について具体的なアドバイスをもらいたいなら、NPO法人空家・空地管理センターに相談してみましょう。

NPO法人空家・空地管理センターは電話相談だけではなく、メール相談も可能です。管理や活用の相談はもちろん、相続などの法律についての問題も相談できます。

参考:NPO法人 空家・空地管理センター

公益社団法人宅地建物取引業協会に相談

空家の売却や賃貸について相談したいなら、公益社団法人宅地建物取引業協会を利用しましょう。公益社団法人宅地建物取引業協会は全国に多数の支部があるため、該当する都道府県の中から支部を選びます。事前受付の無料相談も随時実施しているため、細かい悩みも相談できます。

参考:全宅連 | 全国宅地建物取引業協会連合会

一般社団法人日本建築士事務所協会連合会に相談

空家の再利用だけではなく、調査や建築についてなど、幅広い内容で相談できることが、一般社団法人日本建築士事務所協会連合会の特徴です。これも全国に支部があるため、該当する地域から選び、利用しましょう。無料相談も随時開催されているため、おすすめです。

参考:一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会

東京弁護士会の弁護士会空き家相談窓口

空家について法的な問題が起きている場合は、東京弁護士会の弁護士空き家相談窓口の利用がおすすめです。空家を放置したことによる所有責任や、相続時の問題などを相談できます。事務所での訪問相談だけではなく、電話での相談もできます。

ただし、東京弁護士会を利用できるのは、都内在住か都内に空家がある場合です。

条件に該当しない場合は、各都道府県ごとの弁護士会の相談窓口や、空家対策支援センターなどを利用しましょう。

参考:空き家相談窓口|東京弁護士会

参考:日本弁護士連合会:全国の弁護士会の法律相談センター

空家の活用は早いうちに考えて行動に移そう

空家の活用は早いうちに考えて行動に移そう

放置するリスクがあまりにも高い空家は、活用方法を考えて素早く対処することが大切です。活用が難しいと感じるなら売却などの処分も含めて、一刻も早く行動に移しましょう。

空家を放置するとリスクは上がり、何か問題が起きた場合は法的な責任も問われかねません。活用方法は早めに考えておき、リスクを被らないうちに対策を講じましょう。

黄威翔 / 宅地建物取引士
黄威翔 / 宅地建物取引士

不動産会社に長年勤務し、不動産売却の国家資格「宅地建物取引士」を取得。中古不動産の売買仲介に関わり、日本全国の売主のお客様から貴重な財産を預かっています。専門家の視点から不動産売却の知識をわかりやすく解説します。

関連キーワード