知っておきたい資金調達の方法やメリット・デメリットまとめ

資金調達の方法は主に「資本を増やす」「もともとある資産を現金化する」「負債を増やす」の3つに分けられ、それぞれにメリットとデメリットがあります。資金調達する際は企業の事業内容や財政状況、信用力を考慮して調達方法を選ぶことが重要です。


知っておきたい資金調達の方法やメリット・デメリットまとめ

事業を経営するにあたって、資金調達は避けては通れない道です。

資金調達という言葉は、政府組織・民間企業・個人事業問わず幅広く使われていますが、主に外部から新たに資金を調達することを示すケースがほとんどでしょう。

資金調達をする理由は「設備投資」や「新しい事業を始める」などさまざまですが、目的や財務状況によって適切な資金調達方法を選ぶ必要があります。

今回は、資金調達をする目的や各資金調達方法のメリット・デメリットを詳しくご紹介します。

そもそも資金調達って何?

資金調達とは、事業を運営していくためにお金を集めることをいいます。企業の財政状況を踏まえて戦略を立案する「財務部」がメインとなって行う仕事です。

ただし、財務を設けていない中小企業などでは、経理部や役員自らが執り行うこともあります。事業運営のすべての元手となるため、資金調達は企業の命運を担う大切な業務といえます。

どのような場合で資金調達が必要になるの?

日本国内では、利益を十分に上げている会社はあまり多くありません。国税庁が発表した「平成29年度分 会社標本調査」の調査結果を見ると、全法人2,693,956社中、利益計上できた法人は半分以下の1,006,857社です。

残りの1,687,099社、62.6%もの企業が欠損法人=赤字であることが判明しています。

参考:国税庁|平成29年度分「会社標本調査」 調査結果について

事業本体が赤字の場合、十分な資金を確保することができず、資金調達を行わなければ事業が立ち行かなくなります。

会社が黒字の場合でも、新規事業などに必要な資金を自社のみでまかなうとなると難しいケースが多いでしょう。予期せぬトラブルなどの際に事業が頓挫したり、最悪の場合は倒産に至ったりする可能性も否定できません。

会社の財政にかかわらず必要な資金調達ですが、実際どのようなケースで利用するのでしょうか。

会社を運営するための資金の確保

資金調達をする大きな理由として「運営資金の確保」が挙げられます。小売業なら商品として販売するものがなければ商売は成り立ちません。

事業を続けるには、商品を絶えず仕入れることが求められます。そのため自己資金のみで運営していると、仕入れ代金がなくなった時点で、事業が立ち行かなくなるでしょう。

このように、商売を継続するために資金を集める必要があるのです。

設備への投資

事業を継続したり、新規事業を立ち上げたりする際には、さまざまな設備を整える必要があります。既存の設備が老朽化すれば、修理や買い替えをしなければなりません。

そのうえ、新規に事業を立ち上げるなどといったケースでは、設備投資に莫大なお金がかかります。これらの設備投資を会社の資金だけでまかなうことは難しく、多くの会社が資金調達という方法を選択しています。

事業を拡大させる

事業が軌道に乗れば、次に考えるのは事業拡大です。そのための資金は莫大なものになります。単純に企業規模を大きくするだけのこともあれば、複数の支社や店舗、工場などを建設・増設するケースもあるでしょう。事業拡大に必要な資金は、その規模・数によって額が増減します。

また、一定のタイミングでしか行えない事業のために、資金を集めることもあります。事業には繁忙期・閑散期がつきものですが、資金を注ぎこみたい場面で資金がないとなると、重大なチャンスを逃してしまいます。繁忙期がかっているケースなら、時期を見越して事前に資金を準備することが肝要です。

会社の信用力向上のため

会社の経営状態が健全でも、資金調達を選択する場合があります。これは、借りたお金をきちんと返済しているという実績をつくり、会社自体の信頼力を上げるためです。

返済実績をつくることで、金融機関に「この企業は資金を貸しても返済能力がある」と思ってもらえようになります。

信用力が上がれば金融機関から融資を受けやすくなり、より安定した企業運営を実現できます。一見するとおかしな現象かもしれませんが、実は企業にとって社会的にもっとも大切な資金調達理由のひとつです。

資金調達の3つの方法

資金調達の方法は「資本を増やす」「もともとある資産を売る」「負債を増やす」の3つに分けられます。ここからはひとつひとつの方法の内容や、具体なメリット・デメリットについて解説していきます。

資本を増やす

資本を増やすために真っ先に考えられるのが、株式を発行することです。株式市場から資金調達を行うには上場していることが必須ですが、手続きが煩雑で、すぐに資金を調達したいというときには不向きです。

そのような場合、身内や知り合いなどの親密な関係性にある支援者に、未公開株を売って資金を集める方法もあります。

メリット:資金を返す必要がない

新規株式の発行や未公開株の売却によって資本を増やす方法のメリットは、資金を返す必要がない点にあります。株主が購入した株の価値がどれだけ下がっても、企業の責任にはなりません。

また、この方法で集めた資金は特に使い道を縛られているわけではないので、企業の好きなように使えます。借入金のように、担保や保証人を探して準備する必要もなく、金融機関から借り入れるには信用力が足らない企業や、社債発行ができない企業でも利用できます。

デメリット:買収などの心配がある

通常の株式では、株の持ち分によって経営権の取り分が決まります。一般的には議決権が発生する株式の2/3以上を第三者に所有されると、経営の権利を奪われてしまいます。

上場株では20~30%の株式保有で、経営権を握られてしまうケースもあるので注意しましょう。

また、企業に利益が出た場合、配当金としての株主に還元することが求められます。配当金は必ずしも捻出する義務はありませんが、配当金は株主が期待しているもののひとつです。

あまりにも出し渋りをしていると、株式を売られ、資金難に陥ることも考えられます。他の企業に出資してもらうのも手ですが、この場合経営権をかなりの割合で握られる可能性が高く、自由に経営活動を行えなくなるリスクを伴います。

株式には「普通株式」と「種類株式」の2種類あります。前者は、比較的行いやすい資金集めですが、経営権の取り分が株式の持ち分に左右されます。一方、後者では、「配当優先株式」を発行可能です。

これは、経営権を渡さない代わりとして、受け取れる金額をより多く配分するというものです。普通株式とは逆で、資金集めがしにくくなりますが、買収や合併のリスクは下がります。

買収を仕掛けてくる可能性がある企業に対しては、種類株式を発行するなどのリスクマネジメントが大切です。

もともとある資産を売ってしまう

これは、会社が所有している資産を売却して現金にする方法です。債権や資産を流動化させることで資金を集めます。前者では、回収時期がかなり先の手形債券などを売却して、早い段階での現金化を図ります。一方後者は、使わなくなった会社設備などを売ることで現金化を実現します。

メリット:すぐに資金調達ができる

単純にものを売るだけのため、手っ取り早く資金を得られるのがこの方法の良い点でしょう。もちろん借り入れではないので、担保や保証人を用意する必要もありません。株式のように、買収などのリスクもなく、売れてしまえばすぐに現金が手に入ります。

デメリット:資産がないと行えない、価値が下がることがある

価値のある資産を所有していないと、この方法を用いることはできません。起業したばかりの会社は資産が少ないケースが多く、この方法で資金調達をするのは難しいでしょう。現金化するにあたって、実際の価値よりも低くなってしまうことも多々あります。

負債を増やす

負債を増やすとは、金融機関などからの借り入れのことをいいます。返済期間・期限を設定して、定められた利息や元本を少しずつ返済していきます。資金調達としては、もっとも一般的で簡単な方法です。金融機関からの借り入れ以外にも、新株予約権付社債や普通社債などの資金調達方法があり、会社の信用力が問われます。

3つの中で一番調達しやすいのが借り入れです。しかし、取引先の金融機関などで借り入れを申し込む際には、不動産などの担保や保証人が必要です。審査が通るまである程度の時間がかかるうえ、審査を通過できるかどうかもわかりません。そのため、通らなかった場合の対策を並行して考えておく必要があります。

次に信用力が必要とされるのが新株予約権付社債です。転換社債とも呼ばれ、はじめは社債として発行されますが、一定の条件下において株式に転換する権利が所有者に与えられます。

社債のうちは利息を支払ったり、満期を迎えたときに全額返済したりしなければなりませんが、株式に転換するとそれらの義務はなくなります。中堅企業・ベンチャー企業などでよく用いられる資金調達法です。

普通社債は3つの中で、もっとも会社の信頼度を見られます。企業の負債をうまく生かして利益を上げることで、もともと借りていたお金を返済予定日にきちんと返済できるかどうかが課題となります。

メリット:レバレッジ効果を利用できること

この方法の最大の長所は、これまでより大きな利益が期待できることです。例えば、2,000万円の施設投資をしたいけれども、1,500万円しか資金がない企業があったとします。

そのようなときに1,000万円を借り入れれば、資金は2,500万円となり、より大きな利益につながります。借り入れをすることで得られなかったぶんの利益まで獲得できるのです。他人資金を利用して、これまで以上の大きな利益を手に入れることを「レバレッジ効果」といいます。

デメリット:あくまでも負債であること

一方で、あくまでもお金を借りて負債を増やすので、借り入れをして融資を受けるためには、担保や保証人を探す必要が出てきます。

また、返済には期限が定められているため、赤字経営の多いベンチャー企業やスタートアップでは、利用が難しいケースが多いでしょう。借り入れは銀行など金融機関からが一般的ですが、調達するまでの過程が大変なうえ、金利負担も避けられません。

しっかりした事業計画のもと、本当に返せるのかどうか吟味する必要があります。

まとめ

資金調達は決して簡単ではありませんが、企業にとって必要不可欠なものです。

資金調達をすることで、企業財政を安定化させたり、新しい事業を立ち上げて事業規模を拡大したりできます。資金調達方法は複数あるため、自身の会社にとって一番合っている方法は何か検討する必要があるでしょう。

資金調達方法を選ぶ際は、企業の立場や信用度などさまざまな要素を考慮します。メリット・デメリットを把握して、リスクの少ない資金調達方法を選択することが大切です。

齊藤数馬 / 編集長
齊藤数馬 / 編集長

買取業界のWebマーケティングに携わり4年目の高く売れるドットコムマガジン編集長。家電や家具、楽器、車などあらゆる物の処分方法や買取のコツを紹介し、世の中にリユースを広めるべく活動しています。

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