マンション売却で確定申告は必要?申告の条件や書き方徹底解説

マンションを売却すると、利益が出る可能性があります。このような場合、売却の翌年に確定申告しなければなりません。この記事では確定申告の必要性や手順について解説していくので、マンションの売却を検討している人は参考にしてみてください。


マンション売却で確定申告は必要?申告の条件や書き方徹底解説

長期間居住することを目的としてマンションを購入しても、転勤や親族の介護のために売却せざるを得なくなる状況が突然訪れるかもしれません。

売却価格や住宅ローンの兼ね合いも影響してくるものの、利益が出た場合には売却の翌年に確定申告する必要があります。

企業などに勤めるサラリーマンは会社が年末調整してくれるため、確定申告が初めてという人も多いのではないでしょうか。

これからマンションの売却予定がある人は、この記事を読んで、初めての確定申告に備えておきましょう。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

この記事の監修者プロフィール
台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。  日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

こちらから査定を依頼できます!

イエウール不動産一括査定 【あなたの不動産いくらで売れる?】
イエウールで最大6社の売却価格をまとめてお取り寄せ! 質問に答えて無料診断する

マンション売却の利益で確定申告が必須

マンション売却の利益で確定申告が必須

マンションを売却して利益が出ると、売却の翌年に確定申告する必要があります。ここでは、確定申告の必要性と手続きしなかった場合の注意点について解説していきます。

マンション売却で利益が出たら確定申告

サラリーマンでも副業などで給与以外に所得がある場合、確定申告が必要です。マンションを売却して出た利益は「譲渡所得」という所得の一部に区分されるため、副業と同じように確定申告しなければなりません。

また、マンションを売却して損失が出た場合でも、確定申告すれば還付金が受けられるケースもあるため、マンションを売却予定なら予め手順などを確認しておくことをおすすめします。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得は、マンションを売却した売却価格がそのまま適用されるわけではありません。計算方法がきちんと決められており、次のような計算式で算出されます。

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)

譲渡収入金額には、マンションを売却した際の売却価格と売主と買主で精算した固定資産税や都市計画税が含まれています。取得費は、マンションの購入価格から建物部分の減価償却費を差し引いた金額です。

譲渡費用は、マンションを売却する際にかかった様々な費用が含まれています。例えば、不動産会社に支払った仲介手数料や売買契約書に貼付した印紙税などがあげられます。

築年数が古い物件などで取得費が不明の場合は、譲渡収入金額の5%の概算法が利用できます。なお、税率の基になる課税譲渡所得は、次のような計算式で算出されます。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除

特別控除の詳細は、この後の「マンション売却で使える確定申告の節税対策」の章で詳しく解説していきますが、マイホームとして利用していたマンションを売却した際には様々な特例が利用できます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

これらの特例を利用すると節税対策に繋がるため、要件に合致する特例があるかどうか、あらかじめ把握しておくとよいでしょう。

確定申告のし忘れで延滞税

マンションを売却して利益が出た場合の確定申告は、売却した翌年の次の期間に手続きする必要があります。

毎年:2月中旬~3月中旬

年の早い時期にマンションを売却すると、翌年の確定申告を忘れがちですが、定められた期間にきちんと手続きしないと、様々なペナルティが設けられているので注意が必要です。

例えば、確定申告の期間を逃したことで遅れて手続きした場合、経過日数に応じた延滞税が加算されます。

延滞税は定められた期間の翌日から2カ月を境に税率が異なり、翌日から2カ月未満の場合は年率3%、もしくは特例基準割合に1%を加算した金額の低い方が適用されます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

定められた期間の翌日から2カ月以上経過している場合は、年率6%と特例基準割合に7.3%を加算した金額の低い方が適用されます。

確定申告が必要なくても問い合わせの書類が送られてくることがある

納税の状況を管理する税務署では、不動産を売却したことを登記簿を基に調べています。なぜなら不動産を売却して利益が出ていたにも関わらず、確定申告しない「無申告」を避ける目的があるからです。

そのため譲渡所得がない場合でも、不動産を売却した人に対して税務署から問い合わせの書類が送られることがあります。損失が出ているのも関わらずこのような書類が届いたら、驚く人も多いのではないでしょうか。

しかし、驚かなくても安心です。損失が出たことの根拠となる資料を添えて回答すれば、これ以上の手続きは不要で、ペナルティを科せられることもありません。 

イエウール

マンション売却で確定申告をする手順

確定申告の手順|マンション編

確定申告が初めての場合、どのように手続きを進めればよいか不安な人も多いのではないでしょうか。ここでは、確定申告の準備から提出までの手順について解説していきます。

確定申告の必要書類の準備

確定申告は書類に記入するだけといった簡単なものではないため、確定申告の前にまずは必要書類を準備しておかなければなりません。確定申告に必要な書類は、次の通りです。

  • マンションを売却した際に交わした売買契約書
  • マンションを購入した際に交わした売買契約書
  • 仲介手数料や印紙税といった諸経費の領収書
  • 確定申告書B様式といった書類

マンションの購入時や売却時に交わした売買契約書は、大切に保管している人も多いことでしょう。

不動産会社に支払った仲介手数料や印紙税といった諸経費の領収書も確定申告に必要なため、きちんと保管しておくことが大切です。これらの書類は原本ではなく、コピーで代用できます。

なお、確定申告書B様式や譲渡所得の内訳書などは、税務署の窓口で受け取ったり、国税庁公式ホームページからもダウンロードできます。

マンション売却の確定申告の書き方

確定申告は項目の記入や計算が難しいとイメージしがちですが、マンションを売却した場合はそれほど難しくないので安心です。基本的には譲渡所得の内訳書を作成する際に、売買契約書などに記載されている数字をそのまま入れるだけです。

なお、国税庁の公式ホームページでは内訳書などが作成できる「確定申告書等作成コーナーが設けられています。これを利用して書類を作成すれば、自動で税金の計算をしてくれるので便利です。

作成した書類は期日までに提出

確定申告の期間は毎年中旬から3月中旬と定められているため、期日までに書類を作成して提出しなければなりません。確定申告の期間は概ね2月16日から3月15日ですが、年によって若干日にちが前後するので注意が必要です。

提出方法は郵送、所轄の税務署の窓口、e-Taxの3通りあるため、自分の都合がよい方法で提出するとよいでしょう。税務署の窓口に提出する場合、確定申告の期間は土日や時間外も受け付けているので安心です。

マンション売却で使える確定申告の節税対策

確定申告の節税対策|マンション売却編

マンションを売却した際に出た利益は全てをそのまま受け取れるわけではなく、課税譲渡所得に応じた税金を納付しなければなりません。

しかし、消費者の税負担を軽減するために、マンションを売却した際に利用できる特例などが設けられています。

マンション売却の費用を正確に算出

すでにご紹介したように、譲渡所得は譲渡収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて算出します。さらに税額の基となる課税譲渡所得は譲渡所得から特別控除などの金額を差し引きます。

そのため課税譲渡所得の金額が少ない方が、納付しなければならない税額も少なくなります。取得費や譲渡費用は曖昧になりがちですが、漏らさず計算することで課税譲渡所得が減らせます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

特に取得費は通常の計算方法と概算法では金額が異なるため、計算結果次第で数字を使い分けると節税に繋がります。

3,000万円までは特別控除で税金を回避

マイホームとして利用していたマンションを売却した場合、3,000万円の特別控除が利用できます。この特例は、最高で3,000万円を譲渡所得から差し引ける制度です。

この特例を利用するためには現在自分がマイホームとして利用している、または居住しなくなってから3年を経過する日の年末までに売却することが要件となっています。

10年を超える場合は軽減税率の特例

所有期間が10年を超えるマンションを売却した場合、軽減税率の特例が利用できます。この特例は所有期間が10年を超えることを要件として、譲渡所得税として課税される税率が軽減される制度です。

ただし、売却価格によって税率が異なるので注意が必要です。併用できない特例も多い中、この特例は上記でご紹介した3,000万円の特別控除と併用できます。

新居の購入予定もあるなら買い替えの特例

マンションを売却する理由は多種多様であるため、新居の購入を機に住み替えする人もいます。新居の購入予定がある場合、買い替えの特例を利用すると節税に繋がります。

この特例は売却価格よりも高い新居に買い替えた場合、売却した際の課税分が将来に繰り延べられる制度です。ただし、支払う税金が減るわけではないので注意が必要です。

給料所得と少なく見積もる損益通算

マンションを売却すると必ずしも利益が出るとは限らず、売却価格や住宅ローンの兼ね合いで赤字が出る場合もあります。このような場合、損益通算の利用がおすすめです。

損益通算とはマンションの売却で赤字が出た場合、給与所得と合算することで税金の節税ができる制度です。ただし、セカンドハウスや別荘といった必ずしも生活する上で必要がないマンションを売却した場合は、損益通算が利用できないので注意が必要です。

最大3年間の節税ができる繰越控除

上記でご紹介した損益通算でも損失が残る場合、繰越控除が利用できるので安心です。繰越控除とは、損益通算した翌年以後の3年間は他の所得から繰り越して控除できる制度です。

この特例を利用すると、所得税や住民税の節税に繋がります。この章でご紹介した特例を利用するためには、確定申告が必要です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

控除についてわからないことは契約前に税理士・司法書士に相談しましょう。特に”確定申告・登記もお願いしたいので、教えてください”と言えば親身になって教えてくれるでしょう。

イエウール

マンション売却の確定申告でよくある疑問

マンション売却の確定申告でよくある疑問

マンションを売却した場合に関わらず、確定申告が初めての場合は様々な疑問を抱く人も多いことでしょう。ここでは、マンションを売却して確定申告する場合のよくある疑問を3つご紹介していきます。

確定申告は税理士に相談した方がよい?

確定申告という言葉を聞くと、税理士に相談して手続きするものだとイメージしがちです。しかし、公的年金を受け取っている人やフリーランスとして働く人は個人で確定申告するケースがほとんどです。

自分で確定申告するのが不安な場合は、税理士に相談すると安心です。専門的な観点で様々なアドバイスも受けられるため、自分では気づかなかった節税対策が見つかる可能性も期待できます。

ただし、税理士に相談すると報酬が発生し、5~10万円程度が相場だといわれています。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

時間がある方は、自分でされるのがよいです。時間がない方は税理士に依頼するとよいです。別の見方をすれば、「1回だけの売却なら自分で」、「営利目的や反復継続するなら税理士に」ともいえます。

売買契約書を紛失していたらどうする?

マンションを売却してから日が浅いために売買契約書が手元にあっても、購入した際の売買契約書を紛失するといったケースも考えられます。

このような場合は確定申告できないのではと不安になりがちですが、売買契約書を紛失した場合でも再発行してもらえるので安心です。

売買契約書の紛失が発覚した場合は、仲介を依頼した不動産会社や購入したマンションの売主、もしくは売却したマンションの買主に再発行をお願いしましょう。

なお、確定申告する際には再発行でなくてもコピーで代用できます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

確定申告の期日が迫っている場合は間に合わない可能性があるため、売買契約書をはじめとする必要書類の準備は早めにしておくようにしましょう。

確定申告による税金の支払いはいつ?

マンションを売却した際に出た利益に対する税金は、確定申告をすることできちんとした税額が算出されます。税額が算出されたところで、いつ納付すればよいか不安な人も多いことでしょう。

売却価格によっては譲渡所得税が高額になる可能性も少なくないため、納付する税金の金額を予め準備しておかなければならない場合もあります。確定申告による税金は、所得税と住民税で納付時期が異なります。

所得税は自動引き落としなら確定申告した年の4月頃、住民税は確定申告した年の6月から納付が開始されます。なお、住民税は一括払いか年4回の分割払いのどちらかを選択できます。

マンションを売却した時には確定申告をしよう

マンションを売却した時には確定申告をしよう

一般的なサラリーマンであれば、定年退職するまでは確定申告とはほとんど縁がないのが現状です。マンションを売却して利益が出ると確定申告しなければならないため、初めての場合は戸惑いがちです。

しかし、確定申告は決して難しい手続きではなく、提出方法も所轄の税務署の窓口やe-Taxなどいくつかの選択肢があり、スマホで申告できるようになるなど、利便性も高まっています。

確定申告を故意にしなかったり、忘れた場合には、様々なペナルティが科せられるため、忘れないように手続きすることが大切です。

黄威翔 / 宅地建物取引士
黄威翔 / 宅地建物取引士

不動産会社に長年勤務し、不動産売却の国家資格「宅地建物取引士」を取得。中古不動産の売買仲介に関わり、日本全国の売主のお客様から貴重な財産を預かっています。専門家の視点から不動産売却の知識をわかりやすく解説します。