旗竿地の評価が知りたい!特徴と注意点をおさえて高額売却を

まるで旗のような形をした旗竿地は、その特徴から安く売れる傾向を持ちます。ここでは旗竿地の評価額の計算シミュレーションや、売る時や所有する時に注意しておきたいことを解説します。旗竿地ならではのポイントをしっかり押さえましょう。


旗竿地の評価が知りたい!特徴と注意点をおさえて高額売却を

公道と宅地が細い路地で繋がり、まるで旗のような形をした土地を「旗竿地」といいます。

形が長方形や正方形に比べて特殊なほか、古くからある土地だと現在の法建築基準法に合わず、家を建てられないケースもあることから一般的に「売れにくい」とされます。

そんな旗竿地を高く売るには「旗竿地ならではの注意点」について理解を深めることが大切です。

ここでは、旗竿地の評価額を知りたい時の計算シミュレーションや旗竿地ならではの注意点、買いたい人と売りたい人双方の視点から見た旗竿地の特徴と高く売る方法について解説しています。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

この記事の監修者プロフィール
台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。  日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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旗竿地とはどんなものか

旗竿地の特徴

旗竿地と書いて「はたざおち」と読みます。まずはどのような特徴をもつ土地かを解説します。

旗の形をした土地の事を指す

旗竿地とは、道路から土地まで距離があり、上から見るとまるで旗のような形をした土地のことを指します。

家が建っている部分と道路を家が建てられないくらい細い路地が繋いでおり、隣家をはさんで公道に出ることもしばしばあります。

また家が建っている部分を「有効宅地部分」と呼び、竿に当たる部分を「路地状部分」と呼びます。

都会に多く見られる

旗竿地は「都会に多い」という特徴があります。これは住む人が多く土地の狭い都会で、むだなく建物を建てるために旗竿地が便利だからです。

現在の建築基準法では「原則として幅4m以上の道路に対し、土地が面する部分は2m以上確保する」ことが定められています。確保できない場合は、その土地に建物を建てることはできません。

たとえば長方形の大きな土地を道路に面した形で区切ると、建築基準法はクリアしていても長方形の細い土地が横に並ぶ形になってしまいます。

すると土地の形状、どうしても長屋のような細長い形の家を建てざるを得なくなり、購入者からすると「好きな家が建てられない」というデメリットから、購入希望者が少なくなってしまいます。

そこで旗竿地を奥に設けることで、より自由度の高い土地の分け方ができるだけでなく、家を無駄なく建てられることから、土地を買いたい人が多い都会で旗竿地が多くなるのです。

土地の価格が下がりやすい

旗竿地は「土地の価格が安くなる」といわれます。なぜなら、道路に面した四角形の土地に比べて制限やデメリットが多いためです。

価値面で見れば、同じように道路に面している土地と比較すると、旗竿地の方が10%から30%ほど安いといわれます。

旗竿地のデメリットは、次のようなものが挙げられます。

  • 土地の形が特殊なため家を建てるのに制限がある
  • 家を建てる際に使う重機が路地を通れない場合がある
  • 引っ越すときトラックが入らない
  • 電気や水道を通すのに費用が掛かることもある
  • 風通しが悪い場合がある
  • 光が当たりにくくカビが生える場合がある

また税金の計算に用いられる評価額を計算する際に「間口が狭く奥行きがある土地」や「形がいびつな土地」として計算される過程で、周辺の土地より評価額が低くなります。

一方で資産価値が低いということは、相続や遺贈を受けた際の「相続税が低くなる」というメリットもあります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

しかし売却時となると、上記のようなデメリットや評価額の低さが反映され、売却額が低くなりがちです。このことから旗竿地は「売れにくい土地」といえます。

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旗竿地の土地評価額を知りたいとき

旗竿地の土地評価額を知りたいとき

相続した土地の場合、土地評価額に応じて相続税が課税されます。評価方法は複数あります。

実際にどのように計算するか、例を交えて解説します。

道路と宅地に接する私道の扱い

道路と家が建つ宅地部分を繋ぐ道を私道として評価するか、それとも近隣の住民が含めて使う道として評価するかによって、以下の表のように評価方法が変わってきます。

どのように使われている道か 評価
不特定多数の人が通っていて、通り抜けられる道 評価せず0円とみなす
その周辺に住む人が通り道として使っている行き止まりの道 旗竿地ではなく、私道と宅地を別の土地として評価する
自分の家に行くために、その家の人だけが使っている道 宅地に含めて旗竿地として評価する

公道と宅地を繋いでおり、その宅地に暮らす家族だけが使っている私道の場合、基本的には旗竿地として評価を行います。

一方で、周辺を家々に囲まれており、複数の家が通り道として使っている行き止まりの私道であれば、旗竿地ではなくその私道単体と宅地で別々に評価を行うため注意が必要です。

また土地の評価額を計算する場合、土地の評価額を計算する方式がその地域ごとに「路線価方式」と「倍率方式」のどちらか一方に定められています。

まずは、旗竿地のある地域がどちらの方式に当てはまるか調べることが大切です。国税庁の「路線価図・評価倍率表」から調べることができます。

路線価から価格を算出する

旗竿地がある地域が「倍率方式」で計算するよう定められている場合、その土地の固定資産税に対し評価倍率を掛け算するだけで評価額がわかります。

しかし「路線価方式」の場合は、いくつかの手順を踏んで計算する必要があります。

旗竿地は不整形地扱いになる

まず旗竿地は宅地部分の形が綺麗に整っていても、分類としては不整形地となります。

不整形地とは三角形やL字型など、正方形や長方形以外の形をしている土地のことです。

そのためより正しい評価ができるように間口と奥行に応じた補正をかけるケースもあるため、あらかじめ正しい土地の広さが分かる資料を用意しておきましょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
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費用がかかりますが、売却を予定しているなら土地の広さを隣家や自治体の同意をもって定める「確定測量」を行うのも1つの方法です。

路線価による基本の評価額の計算方法

不整形地の路線価を計算するには、まずその土地が私道部分を含めて四角い形の整った土地だと想定し、地積を出すことから始めます。

順序で見ると、次のようになります。

  • 旗竿地の外周を囲う様に想定した四角形の土地の地積を出す
  • 評価対象地以外の部分にあたる「かげ地」の評価額を出す
  • 「路線価×奥行価格補正率×地積」の計算式から、想定整形地とかげ地それぞれの評価額を算出する
  • 「想定整形地の評価額-かげ地の評価額」として宅地の評価額を算出する
  • 間口と奥行きから奥行価額補正率と間口狭小補正率を調べる

これだけだとわかりにくいので、実際に計算する流れを見ていきましょう。今回の計算では、旗竿地を次のように仮定しました。

旗竿地の面積

竿部分の私道

  • 間口幅:2メートル
  • 路地の長さ:6メートル
  • 面積:12平方メートル

旗部分の宅地

  • 縦:15メートル
  • 横:12メートル
  • 面積:180平方メートル
かげ地の面積
  • 宅地の横-間口幅=10メートル
  • 路地の長さ×10メートル=60平方メートル
前面路線価 1平方メートルあたり25万円
地区区分 普通住宅

前面路線価を調べる際は、国税庁の公式サイトである「路線価図・路線倍率表」から調べます。

ポイントとして、路線価は1,000円単位で示されるため「2150」と表記があった場合は「1平方メートル=21万5,000円」です。より詳しい読み方については「路線価図の説明」も参考にしてください。

黄 威翔/宅地建物取引士
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まず旗竿地全体が、長方形の綺麗な形をしていると想定し、計算を行います。この想定した土地を「想定整形地」といいます。上記の表から計算すると、次の通りです。

(路地の長さ+宅地部分の縦の長さ)×宅地部分の横の長さ=21メートル×12メートル=252平方メートル

まず想定整形地の大きさは、252平方メートルであるとわかります。

また奥行きが21メートルであることから、国税庁の「奥行価格補正率表」によると奥行価格補正率は1.00です。

かげ地の奥行きは6メートルのため、奥行価格補正率は0.95が当てはまります。しかし奥行距離が短くて奥行価格補正率が1.00未満になる場合は、1.00を採用する点に注意しましょう。

これらの数値を、以下の式に当てはめます。

地積×相続税路線価×奥行価額補正率
想定整形地の評価額 252平方メートル×25万円×1.00=6,300万円
かげ地の評価額 60平方メートル×25万円×1.00=1,500万円

そして「想定整形地の評価額-かげ地の評価額」を計算すると、補正を行う前の宅地の評価額は「4,800万円」とわかります。 

旗竿地にかかる補正

旗竿地にかかる補正の計算方法は次の2通りあり、どちらか補正率の小さくなる方を採用します。どの数値も国税庁のホームページにて確認可能です。

  • 不整形地補正率×間口狭小補正率
  • 間口狭小補正率×奥行長大補正率

今回の例に当てはめると、不整形地補正率は宅地面積に対するかげ地の割合が約23%であることから、0.94であるとわかります。

さらに間口幅が2メートルのため、間口狭小補正率より0.90が適応されます。

奥行長大補正率は奥行を間口距離で割り算して求めた数値に応じて決まり、今回は8以上となるため0.90が当たります。

  • 不整形地補正率×間口狭小補正率=0.94×0.90=0.846
  • 間口狭小補正率×奥行長大補正率=0.90×0.90=0.81

0.81の方が低いため、こちらを補正率として採用すると「4,800万円×0.81=3,888万円」が評価額とわかりました。補正前と比べると、およそ2割ほど安くなります。

無道路地の評価

(都市計画区域内や純都市計画区域内であるにもかかわらず、接道義務の条件を満たしていない場合は「無道路地」として評価されます。

接道義務とは、(ある土地が)幅員が4メートル(幅)以上の道路に最低でも2メートル以上間口が接していないと、家をたてられないという決まりです。

この場合、土地を追加購入して接道義務を満していると想定して計算を行い、その後通路部分を補正率を考慮した価格の40%までという限度を加味し、それを差し引いて評価を算出します。

しかし実際は新しく道を作るために土地を購入するのが非現実的なケースや、土地を購入した方が損をするケースも多いため、不動産鑑定士に依頼して実情を踏まえたより正確な評価額を算出します。

そのように正しい評価を出すことによって、評価額が安くなり、最終的に支払う相続税が低くて済む可能性が高まります。

黄 威翔/宅地建物取引士
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相続税の評価については不動産鑑定士に依頼するよりも、税理士に評価を出してもらう方がよいと思います。

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不動産売買における旗竿地の特徴

不動産売買における旗竿地の特徴

旗竿地の評価方法が分かったところで、実際に売却する際や購入する際に、旗竿地がどのような評価を受けるのかを不動産売買の視点から見ていきましょう。

旗竿地を購入する場合

旗竿地を買う側として見ると、メリットも多く存在します。

旗竿地は安くなりやすい

旗竿地の評価で解説したように、不整地として補正がかかるほか、家を建てにくいことなどから、旗竿地は土地そのものの値段が安くなりがちです。

そのため、人気の高い利便性のある地域であっても、他の土地より価格が比較的安くなるため、憧れの街に住める可能性が高まります。

さらに土地自体の価値が低く評価されるため、住んでから支払う税金も安くなります。

使い方次第で住みやすい立地に

旗竿地は重視するポイントによっては、住みやすい立地ともいえます。

まず道路から路地を通って家に入るため、車通りが激しい場所でも比較的静かな環境で過ごせます。道路に面している部分が少ないので、通行人から家の中が見えにくいのもポイントです。

さらに道路と家を繋ぐ細い路地の幅が4メートル近くある旗竿地なら、路地部分を駐車場として利用することも可能です。駐車場以外にも、凝った庭を作るという活用方法もあります。

一方で旗竿地のデメリットには、次のようなものが挙げられます。

  • 他の家の陰に隠れ日当たりや風通しが悪くなる
  • 周囲から見えにくいので防犯上の不安がある
  • 近隣の家屋と近く騒音トラブルが起きる場合がある
  • 生活のインフラ整備が悪い場合がある

全ての旗竿地にこのデメリットが当てはまるわけではありませんが、旗竿地を選ぶ際は注意しておきましょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
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土地だけでの売却なのであれば、旗竿地のメリットを活かしたプラン図(設計図)などを用意しておくと、活用方法のイメージが伝わりやすいかと思います。

建築費用が高額になる可能性も

家を建築する場合、間口幅が狭いと重機や資材の運搬が難しくなり、建築費用が高くなる場合があります。

将来的に建てた家を解体する場合にも、重機が入れないと時間や費用がかさむことが多いです。

また水道やガスを通す場合、道路から遠いため費用がかかります。路地部分も個人の土地となるため、家を建てる自身の負担になってしまうのです。

旗竿地を売却する場合

旗竿地を売る時には、様々な注意点があります。

再建築不可物件の場合は要注意

再建築不可物件とは、現在ある建物を取り壊してしまった場合、新しく建物を建てられない土地のことです。

最初に述べたように、接道義務が課せられる地域に家を建てるには「幅が4メートル以上の道路に、2m以上接している土地であること」が条件となります。

さらに床面積の合計によっては、必要な距離がより広くなることもあります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

接道義務がある理由は、緊急時の逃げ道や救急車両の通行確保が目的です。

しかし、古くからある土地はこの条件を満たしていない場合があり、そうした土地では今ある建物を壊してしまうと家を新たに建てられなくなってしまいます。

黄 威翔/宅地建物取引士
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都会にある条件の良い土地であっても、建物が建てられないとなれば価値はぐっと下がります。

もし接道義務の条件を満たしていない土地を売るのであれば、定められた幅員の道路に接する間口が2メートル以上になるよう近隣の土地を購入してから売った方が、利用価値が高まるため売却の可能性も高くなります。

土地を広くしてから売る

旗竿地の価値を高める工夫として「土地を広くする」ことも検討してみましょう。

たとえば前面にある土地が売りに出されていたら、事前にその土地を購入して四角形にした状態で売却することで、より価値が高まります。

また隣家と土地の一部を同じだけ交換することで、宅地までの路地を広くし利便性を高める方法もあります。

しかし前面にある土地の所有者と交渉が必要なことはもちろん、すでにそこで家を建てて生活している場合はこの方法が不可能であるといえます。

隣人に買い取ってもらう

旗竿地で実際に生活する予定がない場合や、相続したけど売却したい場合は、隣接する土地の所有者に土地を広くする予定は無いか聞いてみましょう。

隣接する土地の所有者にとっても、旗竿地の購入で土地の面積が広がれば、場所によってはより高い価格がつくほか活用方法にも幅が出ます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

たとえば自宅の裏庭として活用したり、建物を取り壊して畑にしたり、利用方法は様々です。

旗竿地の売却が得意な不動産会社を探す

不動産会社に仲介を依頼して売却するのであれば、旗竿地や三角形の土地など、変形地の売却経験がある会社を探すことが大切です。

これまで解説してきたように、旗竿地にはメリットも複数存在し、希望に合う人が見つかれば売れる可能性は十分にあります。

旗竿地の売却経験がある不動産会社なら、メリットを前面に押し出し、デメリット部分も購入者が納得できる形で説明してくれる可能性が高まります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

変則的な形の土地や狭小地の建築が得意な建築業者や工務店とつながりのある不動産業者ならば(または、そのような建築会社や工務店に付属している不動産業者)、土地の有効活用を提案してくれやすいかもしれません。過去の売買実績も恐らく多いのではないでしょうか。

また、変形地や旗竿地の売却経験が豊富な会社を選べば、それだけ高額で売れやすくなります。

そこで活用したいのが、不動産の一括査定サイトです。

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旗竿地は知っておくべきポイントがたくさんある

旗竿地は知っておくべきポイントがたくさんある

旗竿地は土地の価値自体が低いため、相続税や贈与税など税金がお得に済みます。また、メリットを生かせば、評価額よりも高く売れる可能性もある土地です。

しかし古くからある土地で接道義務を果たしていない場合は、再建築不可物件となってしまいます。またデメリットもゼロではないため、売却活動が難航する場合があることも考えておく必要があります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

そのため、旗竿地を高く売却するには、現在の土地の状況やその旗竿地ならではのポイントを知っておくことがとても大切です。

まずは、旗竿地や変形地に実績のある不動産会社を一括査定サイトで探し、自分の希望に合わせてどのように売却を進めていけばよいかを相談しつつ、売却を進めるようにしましょう。

黄威翔 / 宅地建物取引士
黄威翔 / 宅地建物取引士

不動産会社に長年勤務し、不動産売却の国家資格「宅地建物取引士」を取得。中古不動産の売買仲介に関わり、日本全国の売主のお客様から貴重な財産を預かっています。専門家の視点から不動産売却の知識をわかりやすく解説します。