不動産売却の媒介契約を解説|媒介契約に関するQ&A

不動産売却における不動産会社との媒介契約について、詳しく解説します。3種類ある契約の特徴と、具体的な状況・条件別におすすめの契約、よくある質問への回答など、必見の情報が満載です。内容を把握して、自身の希望と合致する契約を結びましょう。
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不動産売却の媒介契約を解説|媒介契約に関するQ&A

不動産売却の売却を考えているなら、依頼する不動産会社との媒介契約について把握しておくことが大切です。

媒介契約とは、売却方法や報酬などについて売主と仲介業者との間であらかじめ取り決めておく「約束」で、きちんと取り決めておかないと、後々トラブルになることもあるからです。

媒介契約には3種類あり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自身の状況や不動産の条件に合致する契約を選んで、より希望に沿った売却をおこないましょう。

あわせて、賃貸物件に関する媒介契約についても記載しています。アパートやマンションの経営をしている方、今後視野に入れている方はチェックしてみてください。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。  日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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媒介契約とは

不動産の売却をおこなう場合、直接の買い手いる場合を除き、不動産会社を訪れるケースがほとんどかと思います。この、窓口になる不動産会社と不動産所有者の契約を媒介契約といいます。

媒介契約は不動産売却などの契約成立のために、売却活動や契約の仲介を宅建業者に依頼する契約のことです。仲介の依頼を受けた不動産会社は、宅地建物取引業法によって、媒介契約の締結が義務付けられています。

不動産会社に仲介を依頼する業務内容や仲介手数料のなどを契約で明確にすることができ、トラブルを未然に防ぐために媒介契約を結ぶ必要があります。

イエウール

媒介契約には3種類ある

媒介契約の種類

媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があります。下の表は、それぞれの違いを比較したものです。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
仲介依頼できる不動産会社の数 いくつでも可能(明示型では、他社へ重ねて依頼した場合の通知義務あり) 1社のみ 1社のみ
契約の有効期限 無期限(標準媒介契約約款では3ヶ月) 3ヶ月以内 3ヶ月以内
売主が自ら探索した買主と契約 直接契約できる 直接契約できる 専属専任媒介を結んだ業者の仲介で契約することになる
指定流通機構への登録 法令上の義務なし(任意) 媒介契約締結の日から7日以内 媒介契約締結の日から5日以内
業務処理状況の報告義務 法令上の義務なし(任意) 2週間に1回以上報告 1週間に1回以上報告

一般媒介契約の特徴

一般媒介契約は、複数社へ依頼できることが最大の特徴です。自ら買主・賃借人を探し出した場合には、直接成約することも許されています。

また、専任媒介契約・専属専任媒介契約では、契約の有効期限である3ヶ月を超えると再契約しなければなりませんが、一般媒介契約は契約期間の上限が決まっていませんので、期限を決めていなければ契約し直す必要はありません。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

一般媒介契約を結んだ複数社の間で販売競争をさせることができるのも、一般媒介契約のメリットです。人気のある物件の場合は、より高く売ることも可能かもしれません。

これだけ見ると自由度が高いため、メリットの多い契約方法に思えます。しかし、不動産会社の熱心な営業活動を期待できない可能性も考えられます。

不動産会社からすれば、複数社に依頼しているということは、営業コストをかけても他社に契約を取られてしまうリスクを抱えています。依頼主に対する業務の報告義務もなく、不動産会社に対する拘束力が弱いため、信頼できる1社に任せてじっくりと売却したい人には不向きです。

明示型と非明示型

一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」があります。明示型の場合は依頼している複数社のそれぞれに、どの不動産会社に依頼しているかを通知しなければなりません。

通知することで複数社間での競争原理が生まれ、積極的に営業活動してもらいやすくなる、という利点があります。一方で、競争相手がいるためにやる気をなくしてしまう恐れもありますので、状況を見極めて選ぶとよいでしょう。

明示型、非明示型、どちらの場合でも不動産の売買・賃貸が成約した場合には、各社へ連絡しなければなりません。成約の旨を伝えなければ、営業活動を継続してしまう恐れがあるからです。

明示型と非明示型

専任媒介契約の特徴

専任媒介契約の場合、依頼できる不動産会社は1社だけに限定されますが、自分で買主・賃借人を探した場合には、直接契約が可能です。

不動産会社にとっては、他社で契約される心配がない、つまり、契約をまとめれば確実に仲介手数料がもらえるので、熱心な売却活動が期待できます。また、3カ月という契約の有効期限があるため、迅速に成約へつなげるはずです。

2週間に1回以上の業務報告義務もあるため、営業活動を実際にしているのかどうかが不明瞭にならない、という安心感もあります。

指定流通機構への登録義務

専任媒介契約では、指定流通機構(国土交通省大臣が指定する公益法人)レインズへの登録が義務付けられています。

レインズに物件情報を登録しておくと、不動産会社がレインズを使って買主や売主を探してくれます。これは賃貸物件の大家・入居希望者でも同様です。

レインズに物件情報を登録することで、幅広く購入希望者を探すことができます。レインズの閲覧は、会員の宅建業者のみになっているため、一般の人は利用できません。

専属専任媒介契約の特徴

専任媒介契約よりも、不動産会社とより密な関係を築いて二人三脚で売却活動を行うことができるのが、専属選任媒介契約です。

その分、契約の拘束力は3種の中で最も厳しく、業務の報告頻度も高いため、不動産会社の営業活動は積極的になる可能性があります。レインズへも専任媒介契約より2日早く登録する義務があるのでより買主をみつけやすくなるといえるでしょう。

また、専属専任媒介契約や専任媒介契約の場合は、不動産の買主が3ヶ月以内にみつからなかった場合、業者購入による「買取保証」をつけてくれることもあります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

買取保障は、不動産会社の規模によっては行っていないところがあります。しかし、小さい不動産会社でも買取会社と提携している場合もありますので、確認することをおすすめします。

媒介契約はどのようにして選ぶとよいのか?

媒介契約はどのようにして選ぶとよいのか?

3つの契約方法を紹介しましたが、いずれにも一長一短あります。自分の状況や不動産の条件を考慮して選びましょう。

次に記載しているのはあくまでも一例になりますが、参考にしてください、

自分の状況に合わて選ぶ

まずは、自分の状況に合わせて候補を決めましょう。代表的な状況とおすすめの契約、その理由を表にまとめました。

状況 おすすめの契約 理由
どの不動産会社がよいかわからない 一般媒介契約 1社に絞る必要がない
複数社とやりとりする手間はかけたくない 専任媒介契約・専属専任媒介契約 1社とだけのやりとりで済む
親族や知人が購入・入居する可能性がある 一般媒介契約・専任媒介契約 自己発見取引が許されている
できるだけ高値・迅速に売りたい 専任媒介契約・専属専任媒介契約 3ヶ月という期間で積極的に営業活動をしてくれる
新居費用の補填にするためなど、すぐに売りたい事情がある 専属専任媒介契約 市場に購入者がみつからなかった場合の「買取保証」を付けてくれる可能性がある。新居の融資の条件になっていることもある
親族や知人にも候補者がいない 専属専任媒介契約 自己発見取引の可能性がない

不動産物件の条件を考慮して選ぶ

次に、不動産物件の条件を考慮して選びましょう。同様に、具体的な物件の条件とおすすめの契約を表でまとめました。

物件の条件 おすすめの契約 理由
駅近などの好立地 一般媒介契約 積極的な営業活動をしなくても買主・入居者の獲得はほぼ確実なため
説明すべき不動産の長所がある 専任媒介契約・専属専任媒介契約 売主との相談を積極的に行ってくれる可能性が高い
市場に好まれるような利点が少ない 専任媒介契約・専属専任媒介契約 熱心な営業活動で買主を探す必要があるため

イエウール

媒介契約で失敗しないために不動産会社に確認しておくこと

不動産会社に確認しておくこと

媒介契約の種類をしっかり選んでも、依頼した不動産会社が合わない場合もあります。媒介契約を締結する前に、不動産会社の選ぶときの確認事項も見ておきましょう。

自分の希望する条件が伝わっているか確認する

不動産は売れればよい、入居してくれれば誰でもよい、というわけではありません。希望条件に合致した買主・入居希望者を探してもらう必要があります。

そこで、売却するのであれば、売却時期・売却の希望額を伝え、理解してくれる不動産会社かどうかを見極めましょう。相談の段階で不信感がある場合には、避ける方が無難です。

賃貸の場合も、ペット・楽器不可などしっかりと条件を伝え、広告宣伝の内容に問題がないかをチェックします。

仲介業務の内容をしっかり確認する

仲介業務の内容を確認することも重要です。具体的には、次のような項目をチェックすることをおすすめします。

  • 広告宣伝の有無と種類(チラシ・インターネット広告・民間のポータルサイトへの登録など)
  • レインズへの登録の有無(一般媒介契約の場合)
  • 他社との連携の有無
  • 業務報告の具体的な内容→実際の広告内容(募集図面やスクリーンショット、配布したチラシなど)、反響(問い合わせの回数や内容)を確認する。
  • 物件調査などのサービス→近隣でどのような物件が売りに出されているか、また、似ている物件が売りに出されている場合は、その物件の詳しい情報を調べてもらう。
黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

これらを口頭で確認するのはおすすめしません。営業トークを鵜呑みにして契約を締結すると、後から言った言わないの水掛け論になる恐れがあるので、書面で残すようにしましょう。

仲介手数料について確認する

仲介手数料は、宅地建物取引業法によって上限が定められています。その範囲内の手数料になっているかを確認し、複数社で比較しましょう。

不動産売却における仲介手数料の上限

売却の場合は、仲介手数料の上限が契約金額によって段階ごとに決められています。

取引額 仲介手数料の上限(税別)
200万円以下の部分 取引額の5%
200万円を超え、400万円以下の部分 取引額の4%
400万円を超える部分 取引額の3%

たとえば、1,000万円の土地を売却した場合、その計算は次のようになります。

200万円×5%+200万円×4%+600万円×3%=360,000円+消費税

上限額を超える手数料を提示してくる会社はNGですが、上限額を決まった金額だと説明してくる会社も要注意です。あくまでも上限額であって、交渉の余地があります。

また、この仲介手数料には広告宣伝費も含まれているため、追加請求に応じる必要はありません。

ただし、通常よりも現地調査が必要な場合や、売却額が400万円以下の空き家などは「低廉な空家等の売買取引における媒介報酬額の特例」によって、取引額に関わらず上限額が180,000円まで引き上がる可能性はあります。

賃貸物件の仲介手数料の上限

賃貸物件の仲介手数料の上限額は、賃料の一カ月分+消費税までと決められています。そして、この仲介手数料は、仲介会社が貸主と借主から受け取れる金額の合計です。

一方から受け取れる金額の上限は基本的に、賃料の0.5ヶ月分+消費税となっています。ただし、依頼者の承諾があればその限りではありません。

それぞれが承諾さえすれば、貸主が全額負担することもできますし、借主に負担してもらうこともできます。

媒介契約に関するQ&A

ここからは媒介契約で気になる疑問を専門家にヒアリングしたので、紹介していきます。

Q1.媒介契約を結ぶと不動産会社がしてくれるのはどんなこと?

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

まずは買主を探すことです。売却したい物件のチラシを作成して配布したり、インターネットの物件サイトに情報を掲載したりして買主を探してくれます。

また、不動産業者同士が物件の情報を共有するレインズというシステムがあるため、そこでお互いの取引相手を探すことができます。

そして買主が見つかったら、契約条件の交渉、売買契約の締結、物件の引き渡しなど、売買取引が完了するまでのサポートをしてくれます。

Q2.媒介契約は必ず結ばなければいけない?

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

売却を依頼する場合は、仲介業者と媒介契約を結ぶことになっています。媒介契約を結んでいないと、売却活動のやり方や仲介手数料の額などでトラブルが起きる場合があります。

売主側が不利益を被る例としては、十分な売却活動をしてもらえなかったために、安い値段で売却することになってしまったり、広告費などの名目で仲介手数料以外の請求をされたりするといったトラブルがあげられます。

Q3.家を売却する際に仲介を依頼する不動産会社を選ぶポイントは?

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

月並みですが、信頼できる不動産会社かどうか、いろいろと任せて安心な担当者かどうかを見極めることが大切なポイントです(とはいえ、それが難しくて困っている人が多いのですが)。

物件の紹介や契約の手続きなどは宅地建物取引士の資格がなくてもできますので、担当者が決まる時に確認しておく方がよいでしょう。

しかし、資格があっても誠実に仕事をしてくれるとは限りません。最初から一社(または一人)に決めてしまわずに、いくつかの業者を比較してみて判断することが大切かと思います。

一概にはいえませんが、営業成績のノルマが厳しそうな会社は、担当者が売上を優先させる場合もありますので、避けるようにした方が無難かもしれません。

Q4.媒介契約の中途解約は可能なの?

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

契約内容によりますが、契約期間中の解約はできない場合が多いです。もし、中途解約が違約となる契約内容だと、違約金を請求される場合もあります。

これを回避するためには、専属選任媒介や専任媒介契約の場合、最初は契約期間を最長の3カ月にせずに1カ月程度にしておき、引き続きその業者に売却を依頼したいのであれば再契約を結び、他の業者に依頼したいのであれば再契約を結ばないという対策をおすすめします。

Q5.媒介契約でペナルティ(違約金など)が発生するのはどんなとき?

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

媒介契約の内容によりますが、上述のように契約期間内で解約をしたり、契約違反(専属選任媒介や専任媒介契約であるにもかかわらず、他の仲介業者に売却を依頼する、など)をした場合に、ペナルティが課されることがあります。

媒介契約を結ぶ際は、契約内容をしっかりと確認しておくことが大切です。

黄威翔 / 宅地建物取引士
黄威翔 / 宅地建物取引士

不動産会社に長年勤務し、不動産売却の国家資格「宅地建物取引士」を取得。中古不動産の売買仲介に関わり、日本全国の売主のお客様から貴重な財産を預かっています。専門家の視点から不動産売却の知識をわかりやすく解説します。

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