土地を貸す方法や流れ|トラブルを回避するための注意点を徹底解説

借地業に関する基礎知識を初心者向けにまとめた記事です。土地を人に貸す際に知っておくべき法律知識に加え、土地を貸す方法と流れについても解説しています。また、トラブルに発展しないための注意点について詳しく解説しています。
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土地を貸す方法や流れ|トラブルを回避するための注意点を徹底解説

土地活用の中には、土地を人に貸す借地事業というものがあります。

借地事業では地主が建物投資をする必要がないというメリットがある反面、ある程度の知識がないと損をしたりトラブルに発展するリスクもあります。

また、契約方法によっては、一度土地を貸すと永久的に返ってこないということもあります。こうしたことにならないためにも、借地に関する法律知識を知っておくことが大切です。

この記事では、借地に関する基礎知識と注意点を初心者の方にも分かりやすいように解説していきます。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。  日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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土地を貸す際の契約には2種類ある

借地契約には「普通借地契約」と「定期借地契約」の2種類があります。ここではそれぞれの特徴と違いを解説します。

土地を貸す際の契約には2種類ある

更新がある普通借地契約

普通借地契約は、契約満了時に更新がある契約方法です。

1992年に新設された更新のない定期借地契約に対して、普通借地契約と呼ばれます。

建物所有を目的とした借地契約で、駐車場などの一時的な土地利用についてはこれに該当しません。

普通借地では、契約期間が最低でも30年と定められています。

契約満了時には更新があり、地主側に更新を拒否する正当な理由がない限りは、借地人の希望によって契約が更新されます。

元々借地契約は地主の権利が強く、借地人の立場が弱い契約でした。

そのことから戦時中には、兵士が戦地から戻った際に借地契約が終了してしまい、住む家がなくて困るという問題が起こるようになりました。

そこで、兵士が安心して戦地に向かえるようにと1941年に作られたのが普通借地です。

また地代が安い場合が多く、定期借地と比べると収益性も低くなります。

契約内容によって地代は異なるため一概には言えませんが、住宅などの借地では、地代を固定資産税の3倍とするケースも多く、収益が低くなります。

更新のない定期借地契約

定期借地契約は、1992年に施行された借地借家法によって新設された契約方法です。

定期借地には契約満了後の更新がなく、契約期間が終われば借地人は土地を更地にして、所有者に返還しなければなりません。

普通借地は借地人の権利を守るために作られた制度でしたが、借地人の権利が強くなり過ぎて、今度は一度土地を貸してしまうと二度と戻ってこないという問題が生じるようになりました。

この制度が導入されることによって、契約満了後には確実に土地を返してもらえるという安心感が生まれ、地主が土地を貸しやすくなりました。

3種類の定期借地権

契約満了後に更新がないのが定期借地であると解説しましたが、定期借地はさらに次の3種類の借地権に分類されます。

3種類の定期借地権

ここではそれぞれの定期借地権の内容を確認していきます。

一般定期借地権

借地権の存続期間を50年以上に設定し、契約期間が満了したら権利が消滅する借地権です。

契約満了後、借地人は更地にして土地を返還します。

借地権の存続期間が50年以上と長いため、長期的に土地を使う予定がないという方に向いています。

地代の更新ができるケースもあり、長期に渡って安定した収入を得ることが可能です。

広めの土地を分譲マンション建築用としてディベロッパーに貸すというようなケースでは、主にこの一般借地権が用いられます。

建物譲渡特約付借地権

借地権の存続期間を30年以上に設定し、期間が満了したら地主が借地人から建物を買い取ることで、借地の権利が消滅する借地権です。

借地人となった事業者が、マンションや店舗、オフィスなどを建てて賃貸経営をし、期間満了後は地主が建物を買い取って賃貸経営を継続していくケースなどが想定されます。

この借地権で地主は、30年間地代や保証金などの収入を得ることができます。

契約満了後は建物を買い取る必要がありますが、その後は家主として家賃収入を得ることができます。

事業用定期借地権

居住用としてではなく事業用として土地を貸し出す借地権です。

借地権の存続期間は10年以上50年未満とされていますが、10年に設定されるケースが多くなっています。

借地権の存続期間を短く設定できるため、短期的な土地活用が可能です。

したがって、当面使い道がない土地や、将来、土地の返却後に子どもや孫に家を建てさせたい場合などに向いています。

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土地を貸す流れ

土地を貸す流れ

ここからは実際に土地を貸す際にどのような流れで進めればよいのか解説していきます。

不動産会社と契約をする

土地を人に貸す場合、まずは不動産会社に相談してみましょう。

知り合いに土地を貸す場合でもトラブルになることがあるため、不動産会社に仲介を依頼するほうが安全といえます。

不動産会社と契約すると、不動産会社が借主を探し、契約を勧めてくれます。

借主との契約の方法と手順

借主が見つかったら契約を行います。

この時、契約前に借主に現地を確認してもらい、納得してもらった上で契約を進めるようにしましょう。

不動産会社に依頼する場合は契約書を用意してもらうことができますが、不動産会社に依頼しない場合には自分で契約書を用意する必要があります。

契約の際に交わすのは「土地使用契約書」と呼ばれるもので、様々なサイトからダウンロードして使用することが可能です。

しかし、トラブルを防ぐためには、司法書士や行政書士に依頼して作成してもらうのが安心です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

契約書を作成する時は、様々な状況に対応できるように内容を詰めておきましょう。

一般的な契約書の内容で収まらない場合は、特約として条件などを付けておくことをおすすめします。

土地を貸す際の相談先

土地を貸したいと思ったときにわからないことや不安なことがあれば、まずは専門家に相談してみましょう。

土地を貸す際の相談先

またこの時、相談内容に合った相談先を選ぶことが大切です。

ここでは2つのパターンに分けて相談先を紹介します。

総合的なアドバイスを求めるなら不動産会社

土地の賃貸や活用について総合的に相談できるのが不動産会社です。

不動産会社はタイムリーな不動産情報を把握しているので、幅広いアドバイスを受けることができます。

また、不動産会社は土地活用に関する専門家や企業との繋がりもある場合が多く、必要に応じて紹介してもらうことも可能です。

手続きなどに関する相談は司法書士や行政書士

契約書の作成など契約や手続きについて相談する場合は、司法書士や行政書士に相談すると安心です。

こうした専門家は初心者とっては難しい複雑な書類作成や手続きを代行してくれます。

また、固定資産税など税金については税金のプロフェッショナルである税理士に相談するのがおすすめです。

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土地を貸すときの注意点

土地を貸すことで借地料を得ることができ、安定的な収入を見込むことができますが、その反面トラブルが発生したり、損をしてしまうケースもあります。

土地を貸す際には、契約内容や条件についてしっかり確認し、トラブルに発展しないようにすることが大切です。

ここでは、土地を貸す際の注意点をまとめています。

土地を貸すときの注意点

契約期間中は土地を使えない

土地を貸す契約をしている期間中は、土地を自分の好きなように使うことができません。

借地契約は期間が長くなるケースがほとんどであるため、あらかじめこの点を理解しておくことが必要です。

 契約の途中で解約することは難しいため、事前に使う予定がないかどうかよく考えてから契約するようにしましょう。

建物を建設できる土地か確認する

建物が建てられない土地を、建物が建てられる土地として貸し出すことはできません。

特に市街化調整区域に指定されている土地の場合は、建物の建設が難しいため注意が必要です。

市街化調整区域とは、都市計画区域の中で開発・建設が制限されている区域です。 

また、建築確認申請の際に土地の形状や場所などが影響することがありますので、隣接する土地との境界が明確であることも重要です。

あわせて、電気、ガス、水道などが利用できる土地であるかどうかも確認しておきましょう。

企業に貸す際は経営状況などを確認する

個人ではなく企業や業者に土地を貸す場合には、借主となる会社の経営状況などを確認しておくことが大切です。

経営状況が苦しい業者の場合、将来的に支払いが滞る可能性もあるためです。

普通借地では半永久的に土地が返ってこない

はじめに説明した通り、普通借地契約を締結してしまうと貸した土地は半永久的に返ってこなくなります。

地主から契約更新を拒絶するには正当事由が必要とされており、無ければ契約更新となってしまうためです。

将来的に土地を利用する予定がある場合は、期間を定めた更新のない定期借地権を設定して契約するようにしましょう。

必ず契約書を作成する

借地契約は口約束でも成立しますが、一般定期借地権など借地契約の内容によっては、書面で締結することが法律によって定められています。

それに限らず、借主との間でのトラブルを防ぐためにも契約書を作成した上で契約を締結することが大切です。

また、万が一トラブルが発生した場合にも契約書を作成しておくことで、トラブルを解決しやすくなります。

建物を建てられないようにする

駐車場や資材置き場など、建物を建てずに使用する目的で土地を貸した場合、契約で建物を建てられないようにしておくことが大切です。

貸した土地に建物が建てられてしまうと借地借家法が適用され、契約期間が最低30年になるなど地主にとって不利な状態になってしまうことがあるためです。

また、借主が建物を建て、先に登記をしてしまうと借地権が借主側に発生し、将来的に地主が土地を使いたいと思っても使えないという事態になる可能性もあります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

駐車場などの建物所有を目的としない土地の賃貸借については、借地借家法ではなく民法の賃貸借規定が適用されます。

よって、貸主、借主、どちらからも契約の解除を申し入れることができます。

特に中途解約の特約などを定めていない場合は、解約の申し入れをしてから1年が経過することによって契約終了となります。

賢い土地活用の方法を考えよう

賢い土地活用の方法を考えよう

土地を貸す際の借地契約には、普通借地契約と定期借地契約があり、普通借地契約の場合は土地を返却してもらうことが難しくなるため注意が必要です。

また、契約の際には不動産会社や専門家に相談し、トラブルにならないよう気をつけましょう。

土地を貸すことを検討している方は、納得できる土地活用ができるよう、まず不動産会社に相談してみてください。

黄威翔 / 宅地建物取引士
黄威翔 / 宅地建物取引士

不動産会社に長年勤務し、不動産売却の国家資格「宅地建物取引士」を取得。中古不動産の売買仲介に関わり、日本全国の売主のお客様から貴重な財産を預かっています。専門家の視点から不動産売却の知識をわかりやすく解説します。

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