任意売却での残債と返済方法|自己破産のやり方や業者の選び方も紹介

不動産を任意売却した場合でも、ローンの残債が出てしまうことがあります。この場合は残債を満額支払わなければならないわけではなく、交渉次第で減額も可能です。残債の返済方法や自己破産のやり方などを知り、任意売却の成功を目指しましょう。
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任意売却での残債と返済方法|自己破産のやり方や業者の選び方も紹介

戸建てやマンションといった物件をできるだけ安く手に入れたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

中古物件なら新築物件よりも安く手に入りやすいですが、さらに価格が安めになるのが任意売却物件です。

任意売却物件は一般的に売り出されている物件とは異なり、住宅ローンの返済が難しくなってしまったなど、持ち主の事情で売りに出されている物件を指しています。

この記事では、任意売却物件の特徴や購入時の注意点などを解説していきます。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。  日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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任意売却物件とは

任意売却物件とは

任意売却物件とは、持ち主が住宅ローンの支払いが難しくなった場合に、返済のために債権者の合意を得て売り出す物件のことです。

ただし、一般的な不動産物件を購入するときと手順はほとんど変わりません。

ここでは、任意売却物件の特徴を紹介していきます。

債務者にメリットが多い

任意売却と混同されやすい言葉に「競売」があります。

どちらの場合も、住宅ローンの返済が難しくなるといった持ち主の経済的事情が大きな理由であることに違いはありません。

競売とは、住宅ローンの借入先となる金融機関が担保となっている不動産を差し押さえるための許可を裁判所に依頼し、物件を強制的に競りにかけて売却することです。

ただし、住宅ローンの返済が難しくなったからといってすぐに競売物件として売りに出される訳ではありません。

任意売却も持ち主の経済的な事情が原因で売り出しますが、競売の方が強制力が強いといえます。

競売に比べると、任意売却は債務者にとってメリットが多いです。

たとえば、任意売却物件と競売物件は物件価格に違いがあげられます。

競売物件の場合は市場価格の5割程度ですが、任意売却物件の場合は7~8割程度です。

また、競売にかけられると強制的に退去を命じられるものの、任意売却であればリースバック契約を結ぶことによってそのまま住み続けらるといった手段も例として挙げられます。

ちなみにリースバック契約とは第三者に物件を購入してもらい、購入者に対して賃料を支払うことで物件に住み続けられる仕組みのことです。

ただし、リースバックは非常に稀であるため、ほとんど利用されることはありません。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

場合によっては、任意売却後にリースバックを利用して住み続け、経済状況が良くなった際に改めてその物件を買い戻すことができることもあります。

どうしても住み続けたい場合は、そのような条件を受けてくれる購入希望者を探してみるとよいでしょう。

一般の人も購入できる

市場価格の7~8割程度で売り出される任意売却物件は、一般的に売り出されている類似物件よりも安く手に入れやすいといえるでしょう。

任意売却物件は不動産会社やデバロッパーといった特定の業者だけが購入できる訳ではなく、一般の人でも購入できます。

任意売却物件を探す場合は一般的な不動産ポータルサイトでも検索でき、任意売却物件に特化した専門サイトも登場しています。

ポータルサイトでも物件を検索可能

任意売却物件を数多く取り扱っている、3つのポータルサイトもご紹介します。

1.任売市場

任売市場は、東京都や神奈川県、千葉県、埼玉県といった首都圏を対象とした任意売却物件専門サイトです。

取り扱っている物件種別は、ファミリー向けマンションや戸建てなど多岐にわたります。

参考:任売市場

2.任売物件情報センター

任売物件情報センターは、全国各地の競売物件や任意売却物件を掲載している専門サイトです。

売り手と買い手を繋げる会員制サイトで、非公開物件も数多く所持しています。

参考:任売物件情報センター

3.一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会

一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会は任意売却物件を取り扱っているだけでなく、住宅ローンの返済相談にも対応しているサイトです。

参考:全国住宅ローン救済・任意売却支援協会


任意売却物件に特化した多くの専門サイトでは、会員登録すると、希望にあう物件情報を知らせてもらえます。

たとえば、上記で2社目に紹介した、任売物件情報センターの場合、会員登録すると物件情報をリクエストできます。

ただし、3社目の一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会の場合は、目的が不動産投資に限定されています。

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任意売却物件を購入するメリット

任意売却物件を購入する4つのメリット

任意売却物件に特化した専門サイトは複数あり、希望にあう物件が見つかれば個人でも購入できます。

任意売却物件を購入する場合のメリットは、主に次の4つです。

普通の物件に比べて価格が安い

任意売却物件を購入する最も大きなメリットは、一般的に売り出されている物件よりも安く手に入れられることです。

「任意売却物件とは」で紹介したように、任意売却物件価格は一般的な不動産価格の7~8割程度です。

競売物件に比べて詳細な物件情報が得られる

任意売却物件に比べると、競売物件の方が安く手に入りやすいといえます。

しかし、競売物件を購入する場合、確認できる物件情報に限りがあるのが現状です。

競売物件の場合、物件情報を確認できる手段は物件明細書や評価書、現状調査報告書程度です。

その一方で、任意売却物件の場合はさらに詳細な情報が公開されており、その情報量は一般的に売り出されている不動産物件とほとんど変わりません。

投資用のお得な物件が見つかる

不動産専門の投資家に関わらず、近年は一般的なサラリーマンでも不動産投資にチャレンジする人が増えています。

しかし、不動産投資は専門的な知識が求められることから失敗して不動産を手放す人も多い傾向にあります。

この状況は、不動産投資家にとって、比較的築年数が浅い投資用不動産を安く手に入れられるチャンスです。

任意売却物件を上手く探していけば、よい状態の物件でも市場価格よりも安く手に入れられる可能性も期待できます。

住宅ローンが組める

任意売却物件を購入する場合は、住宅ローンが組めないのではないかと不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

しかし、一般的に売り出されている不動産物件と同様に、任意売却物件でも住宅ローンが組むことができます。

現在は住宅ローンの金利が比較的低いので不動産を購入しやすい状況ですが、任意売却物件でローンを組む場合は任意売却物件ならではの手続きが求められます。

たとえば、住宅ローンの審査にクリアしたとしても、債務者となる保証会社から住宅ローンを組む許可を得なければなりません。

住み替えで任意売却物件の購入を検討している場合は、現在の住まいを売却する必要があります。

スムーズな住み替えなら「イエウール」がおすすめ

不動産売却の一括査定はイエウールがおすすめ

スムーズな住み替えを目指すなら、仲介を依頼する不動産会社選びが大切です。

不動産会社によって査定額や得意分野が異なるため、信頼できる不動産会社を探す際には複数社に査定を依頼することがポイントです。

しかし、複数の不動産会社に1件ずつ査定を依頼する作業は、時間も労力も消費してしまいます。

このような場合、複数社に一括で査定を依頼できる一括査定サイトのイエウールがおすすめです。

イエウールは全国1,600社以上の不動産会社と提携しているため、信頼できる不動産会社を見つけやすいことが特徴です。

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任意売却物件を購入するデメリット

任意売却物件を購入する8つのデメリット

任意売却物件を購入する大きなメリットは、一般的に売り出されている不動産物件よりも安く手に入れられることです。

その一方で、任意売却物件を購入する場合には次のようなデメリットもあります。

これから任意売却物件の購入を検討している場合、メリットだけでなデメリットも考慮した上で判断するようにしましょう。

任意売却の経緯がわからない

一般的に売り出されている不動産物件の場合、物件を売り出した理由を不動産会社や売り手に聞くことができます。

騒音問題や環境の悪い物件であることを知っていれば、トラブルを事前に回避できます。

しかし、任意売却物件の場合、どのような経緯で売り出されているのかを把握することが難しいです。

過去に事件や事故があったいわくつき物件なのか否かは、すべて自分の判断に委ねられます。

契約を結ぶまでに時間がかかる

一般的に売り出されている不動産物件と異なり、任意売却物件の場合は売買契約を結ぶまでに時間がかかることがデメリットとしてあげられます。

なぜなら、任意売却物件の場合は債務者と債権者が住宅ローンを完済するために売却を進めていくからです。

任意売却物件は売り出し期間が限定されているため、債務者はできるだけ早く売却したいと考えているケースが多いといえます。

しかし、持ち主と債権者が債務を残さない売却を目指しているため、さまざまな事情が考慮されて売買契約には時間がかかるのが現状です。

価格交渉が難しい

一般的に売り出されている不動産物件を購入する際には、売買契約を結ぶ前に価格交渉が行われるケースがほとんどです。

しかし、任意売却物件の場合は住宅ローンを完済することが目的であるため、価格交渉が難しいといえるでしょう。

任意売却物件の価格を決めるためには債権者である金融機関の同意が必要なため、たとえ少ない金額の価格交渉でも難しいのが現状です。

そのため、任意売却物件の購入を検討したら、掲載されている売り出し価格通りに購入することを前提として資金計画を立てることをおすすめします。

状態がよくない物件が多い

中古物件を購入する際には、できるだけ状態がよい物件を購入したいと考える人が多いのではないでしょうか。

しかし、任意売却物件の場合は状態がよくない物件が多いことをあらかじめ心得ておく必要があります。

なぜなら、任意売却物件は住宅ローンの返済が難しいという状況で売り出されているため、すでに生活が破綻している持ち主が多いからです。

そのままの状態では入居できない物件も多いため、大がかりなリフォームが必要なケースもあります。

そのため、任意売却物件の購入を検討した際には、リフォーム費用を見込んだ資金計画が求められます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

もともと購入した物件を自分の好みに合わせてリフォームしたりリノベーションしたりする予定の人にとっては、任意物件の状態の悪さよりも、価格の安さの方が魅力的だといえるでしょう。

管理費や修繕積立金の負担

分譲マンションでは、住宅ローンの返済に加えて管理費や修繕積立金を毎月支払わなければなりません。

任意売却物件がマンションの場合、生活自体が破綻している持ち主が多いことから、管理費や修繕積立金を滞納しているケースがほとんどです。

本来は売り手が所有している期間のコストは売り手によって支払われるのが義務ですが、任意売却物件の場合は買い手による負担を交渉される可能性も少なくありません。

そのため、任意売却物件として売り出されているマンションを購入する際には、管理費や修繕積立金の支払い状況を把握しておくことが大切です。

契約不適合責任がなく費用の請求ができない

一般的に売り出されている不動産物件の場合、通常であれば物件に関する瑕疵(かし)に対する責任は一定期間売り手が負わなくてはなりません。

この責任のことを契約不適合責任といい、2020年4月に施行された民法改正によって「瑕疵(かし)担保責任」という文言から変更されました。

しかし、任意売却物件の場合は売り手が契約不適合責任を負える経済状況ではないため、免責する契約を結ぶ場合が多いです。

売り手が契約不適合責任を負わない特約を結んでいる場合は、任意売却物件の購入後に欠陥が見つかっても、修繕などにかかった費用はすべて自分で負担する必要があります。

契約が白紙解除になる可能性が高い

一般的に売り出されている不動産物件の売買契約では、どちらかが一方的に契約解除した場合のペナルティが設けられているケースがほとんどです。

しかし、任意売却の売買契約書には白紙解除できる特約が盛り込まれているため、契約が白紙解除になる可能性が高いといえます。

売買契約書に白紙解除の特約が盛り込まれている理由は、決済の直前になって契約解除となるケースが多いからです。

たとえば、物件の持ち主に住宅ローン以外の借金が発覚し、他の債務者から物件を差し押さえられるといった例があげられます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

特に複数の債権者がいる場合は協議が整わないと抵当権を外すことを了承されず、土壇場になって契約が白紙解除となるといったケースも考えられます。

原則として公簿売買

不動産の売買契約の方法は、公簿売買と実測売買の2種類です。

登記簿謄本の記載事項を基準として売買契約を結ぶ方法を公簿売買といい、実際の土地の面積を基準として売買契約を結ぶ方法を実測売買といいます。

不動産の売買は公募売買が原則ですが、一般的に売り出されている不動産物件の購入後と比べると、任意売却物件の購入後にはトラブルが多いので注意が必要です。

たとえば、任意売却物件の土地を購入したと仮定しましょう。

土地の面積は登記簿謄本に記載されている数値を前提としますが、古い土地では正確な面積が測量されていないケースも多々あります。

このような場合、実は土地の面積が狭かったといったトラブルが発生する可能性があります。

土地の面積は地価に影響するため、特に地価の高いエリアでは資産価値にかなりの差が生じます。

最後に、任意売却物件を購入するメリットとデメリットを表でまとめたので、比較してみましょう。

メリット/デメリット 項目 内容
メリット 競売物件に比べて詳細な物件情報が得られる
  • 任意売却物件は詳細な情報が公開されている
  • 情報量は一般的に売り出されている不動産物件とほとんど変わらない
普通の物件に比べて価格が安い
  • (任意売却物件の価格は)市場価格の7~8割程度
住宅ローンが組める
  • 一般的に売り出されている不動産物件と同様に住宅ローンが組める
デメリット 任意売却の経緯がわからない
  • いわくつき物件なのか否かは、すべて自分の判断に委ねられる
  • 不動産会社の情報も把握できない
契約を結ぶまでに時間がかかる
  • すぐに購入を決めても売買契約までに時間がかかる場合がある
価格交渉が難しい
  • 価格を決めるためには債権者である金融機関の同意が必要
状態がよくない物件が多い
  • そのまま住めない物件の場合はリフォームも必要
契約不適合責任がない
  • 購入後に欠陥が発覚しても修繕にかかった費用を請求できない
原則として公簿売買
  • 登記簿謄本に記載されている土地の面積と実際は異なるケースもある
  • トラブルに発展する可能性が高い
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任意売却物件を購入するときの3つのポイント

任意売却物件を購入するときの3つのポイント

任意売却物件は、一般的に売り出されている不動産物件に比べて安く手に入れやすいといえます。

しかし、状態が悪い物件が多かったり、契約が白紙解除になったりするリスクも考慮しなければなりません。

ここでは、任意売却物件を購入するときのポイントを3つ紹介していきます。

物件の管理状況を確認する

「任意売却物件を購入するデメリット」で紹介したように、任意売却物件の持ち主はすでに生活が破綻している可能性が高いです。

特に任意売却物件がマンションの場合は、管理費や修繕積立金も滞納しているケースが多いといえるでしょう。

そのため、任意売却物件として売り出されている物件を購入するときには、物件の管理状況を確認しておくことが大切です。

特にマンションの場合は、管理費や修繕積立金の支払いの滞納を買い手が負担しなければならない可能性もあるため、物件を管理する不動産会社で確認しておきましょう。

競売や差し押さえになっていないか確認する

任意売却物件として売り出しできるのは一定期間で、その後は競売物件として売り出される可能性があります。

競売にかけられる前までは任意売却で売り出しできますが、すでに競売や差し押さえが発動されてしまっているケースもあるので注意しましょう。

任意売却物件の購入を進めていく最中で競売や差し押さえという事態に発展すると、売却の話自体が白紙になりかねません。

任意売却物件のリスクを知らずに購入すると後々トラブルに発展する可能性が高いため、競売や差し押さえになっていないか確認しておくことが大切です。

手付金は少なめに

任意売却物件には、契約不適合責任の面積や契約の白紙解除といったさまざまなリスクが潜んでいます。

特に気をつけなければならないのは、手付金の金額です。任意売却の場合、売り手が経済的困難から逃れるために手付金を持ち逃げするケースがあります。

任意売却物件を購入する際はリスクを避けるために手付金の金額はできるだけ少なめにして、売り手に直接手渡ししないことを心得ておきましょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

どうしても心配な場合は、手付金の設定をせずに契約と引渡しを同時に行うようにしましょう。

ただし、その場合は、こちらからの契約解除についても猶予がないことを踏まえておく必要があります。

任意売却物件のリスクが伴うので購入は慎重に

おもちゃの家

任意売却物件は、一般的に売り出されている不動産物件よりも価格が安いことやお得な投資物件が見つかるといったメリットがあります。

しかし、手付金の持ち逃げや契約不適合責任の免責というようなデメリットがあるため、一般的に売り出されている不動産物件に比べるとリスクが高いといえるでしょう。

特にマンションの場合は、持ち主が滞納した管理費や修繕積立金を負担しなければならないリスクがあるため、たとえ価格が安くても結果的に持ち出し分が多くなる可能性も考えられます。

そのため、任意売却物件を購入するときは「任意売却物件を購入するときのポイント」で紹介したポイントを押さえつつ、慎重に購入を検討しましょう。

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黄威翔 / 宅地建物取引士
黄威翔 / 宅地建物取引士

不動産会社に長年勤務し、不動産売却の国家資格「宅地建物取引士」を取得。中古不動産の売買仲介に関わり、日本全国の売主のお客様から貴重な財産を預かっています。専門家の視点から不動産売却の知識をわかりやすく解説します。

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