ファクタリングと債権譲渡の違いとは？メリット・デメリットも解説！

資金操りに役立つとして有名なファクタリングと債権譲渡。どちらも債権を扱うため、「違いが分からない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。今回は、その悩みを解消するために”ファクタリングと債権譲渡の違い”について説明します。

どちらの活用がおすすめなのかも説明するので、参考にしてください。

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ファクタリングと債権譲渡とは？

メリット・デメリット・注意点は、基礎知識があるとスムーズに入ってきます。そのため、この段落でファクタリングと債権譲渡の概要を理解しましょう。

ファクタリングとは

日本のビジネスでは、信用取引が基本です。商品やサービスを先に提供する企業の多くは、約束の日までに代金を受領する権利(売掛債権)をもっています。この売掛債権をファクタリング会社に売却して現金を確保するのがファクタリングです。

通常の支払い期日よりも早く現金を確保できるのが最大の魅力ですよ。なお、ファクタリングは大きく”2社間ファクタリング”と”3社間ファクタリング”の2種類に分られます。

債権譲渡とは

債権譲渡とは、債務者の代わりに第三者から金銭を回収する権利を得る制度のことです。以下のような状況と仮定してもう少し分かりやすく説明しますね。

• 自社がA社に商品を販売(代金は未回収)
• A社は自社の取引先であるB社にお金を貸している(資金債権をもっている状態)
• 自社はA社から売掛金を回収する必要があるが、A社にはその資金がなく回収できない状態

今回の例だと、A社が自社の債務者です。そのため、まずはA社が所有しているB社に対しての売掛債権を自社が譲り受けます。こうすることで、自社はA社の代わりにB社に対して売掛金の取り立てを行えるようになります。

ファクタリングのメリット・デメリット・注意点

ファクタリングの概要を押さえたら、次はメリットとデメリットを理解しましょう。あわせて注意点も理解しておくことをおすすめします。

メリット

ファクタリングのメリットは、自社の業績が悪くても資金調達ができることです。素早く資金を調達できる、無担保・無保証で利用できる、などのメリットもありますよ。次の段落から、メリットの詳細について説明します。

自社の業績に関わらず資金調達が可能

ファクタリングの審査では、自社の信用力よりも売掛先企業の信用力が見られます。借入による資金調達ではなく、売掛債権を売却して資金を調達する方法だからです。そのため、自社の業績が悪くても資金調達できる可能性がありますよ。

柔軟な審査に対応しているところが多いので、審査に不安がある人は一度スタッフに相談してみてください。

スピーディーに資金調達ができる

他の資金調達方法は、申し込みから入金まで数日〜数週間かかる傾向があります。状況によっては、1ヶ月近くかかることもありますよ。しかし、ファクタリングは申し込みから入金まで最短即日で完了する傾向があります。

売掛債権を売却するという仕組み上、審査項目が他の資金調達方法よりも少ないからです。急ぎで現金を確保したい人は、ファクタリングでの資金調達を検討しましょう。

無担保・無保証で資金調達ができる

借入で資金を調達する場合、貸し倒れリスクを回避するために担保や保証人を求められます。保証人は、利用者が借入を返済できなくなった場合に返済の責任を肩代わりしなければいけません。少しリスクがあるため、中々引き受けてくれる人はいないでしょう。

担保を用意した場合、返済不能になった際に資産を手放す必要があります。事業形態によっては多大なリスクを背負うことになりますよね。これらのリスクをゼロにできるのがファクタリングです。無担保・無保証で利用できるため、ローリスクで資金を調達できます。

デメリット

ファクタリングのデメリットは、悪徳業者も存在することです。コストが少し高めだったり売掛先企業の信用力に依存したりするのもデメリットでしょう。ここでは、各デメリットの詳細について説明します。

悪徳業者も存在する

ファクタリングは、比較的新しいサービスです。他の資金調達方法に比べて、法整備がまだ十分ではありません。この穴を狙って悪徳業者も参入してきているため、注意しましょう。なお、悪徳業者は以下のような特徴があります。

• 手数料が異常に高い
• ファクタリングなのに担保や保証人を求めてくる
• 手続きが異常なレベルで簡素化されており、詳しい説明がない

コストが少し高い

ファクタリングでは、金利の代わりに手数料がかかります。手数料の相場は、以下の通りです。

• 2社間ファクタリング：10〜20%
• 3社間ファクタリング：1〜9%

銀行融資の年利は2〜9%、政府系金融機関は1〜3%が相場です。これらと比較すると、ファクタリングのコストは少し高いと言えます。

売掛先企業の信用力に依存する

メリットの段落で、「ファクタリングは自社の業績が悪くても利用できる可能性がある」と説明しました。これは売掛先企業の信用力が重視されるからです。しかし、裏を返せば、売掛先企業の信用力が低いとファクタリングは利用できません。

いくら自社の信用力が高くても審査落ちする可能性が高いので、注意しましょう。よくも悪くも売掛先企業の信用力に依存するのは頭に入れておくことをおすすめします。

注意点

ファクタリングを利用する際は、調達できる金額と入金額に注意しましょう。償還請求権についても理解しておくことをおすすめします。ここでは、各注意点の詳細について説明します。

調達できるのは売掛金の範囲まで

売掛債権を現金化するという特性上、ファクタリングでは売掛金までしか資金を調達できません。売掛金が500万円で800万円の資金を調達したい場合、超えた分の300万円は他の方法で調達する必要があります。

少額債権のみ保有している人は、多額の資金調達ができないので注意してくださいね。

売掛金のすべてが入金されるわけではない

「ファクタリングでは手数料がかかる」と説明しました。手数料は、売掛金に対してかかります。そのため、売掛金すべてが入金されるわけではないので注意しましょう。売掛金から手数料を引いた金額が入金されます。

例えば、300万円の売掛金を手数料が8%のファクタリング会社に売却するとしましょう。この場合、24万円が手数料として取られ、276万円が利用者の口座に入金されます。

償還請求権ありの契約はリスクが高い

ファクタリングの契約には、償還請求権ありとなしの2種類があります。あまりリスクを負いたくない人は、償還請求権なしで契約を結ぶようにしましょう。

償還請求権ありで契約を結ぶと、取引完了まで売掛先企業の倒産リスクを利用者が負わなければいけないからです。

債権譲渡のメリット・デメリット・注意点

債権譲渡の基礎を押さえたら、次はメリットとデメリットを確認していきましょう。失敗を防ぎたい人は、注意点も理解しておくことをおすすめします。

メリット

債権譲渡のメリットは、債務の解消ができることです。債権の売却ができるというメリットもありますよ。次の段落から、各メリットの詳細について説明します。

債務の解消ができる

債務の期日が迫っているのにも関わらず弁済が難しい場合は、自社が債権を回収することでその資金を債務の弁済に充てられます。しかし、債権の回収はスムーズにいかないケースがほとんどです。そこで役に立つのが債権譲渡です。

債権譲渡をすれば、債権を回収して無理に資金を作る必要がなくなります。債権をそのまま移動させれば、弁済が成立するからです。この債務の解消ができるのは、債権譲渡ならではの強みでしょう。

債権の売却ができる

債権譲渡を前提にした場合、企業は債権を売却できます。債権は自由に売却できるので、この行為を行っても違法にはなりません。債券の売却は、以下のような場合におすすめですよ。

• すぐに資金を回収したい場合
• 債務者からの支払いが遅れそうな場合

なお、債券の売却を専門の会社に委託して資金を回収するのがファクタリングです。

デメリット

債権譲渡を行うためには、公的な書類を作成して契約の締結を公にする必要があります。この手続きを完了させるためには、取引先企業からの承諾を得なければいけません。ここで取引先企業に自社の経営状況を知られるので、注意しましょう。

債権譲渡登記を利用して客観的に債権譲渡の証明をする方法もあります。しかし、登記なので法務局で検索をされれば、他社に自社の経営状況を知られます。いずれにせよ、自社の経営状況が知られる可能性があるのは頭に入れておきましょう。

注意点

債権譲渡を行う際は、二重譲渡と債務者への通知責任があることに注意しましょう。債権譲渡禁止特約にも注意してください。ここでは、各注意点の詳細について説明します。

二重譲渡に注意する

二重譲渡とは、同じ債権を複数の相手に譲渡することです。例えば、Aさんに50万円を貸したBさんが、CさんとDさんに債券を譲渡するというイメージです。二重譲渡が行われると、債権を譲渡された側でトラブルが発生する恐れがあります。

二重譲渡を防ぐために、必ず対抗要件を取得するようにしましょう。対抗要件の取得は、内容証明郵便が最も便利でおすすめです。

必ず債務者に通知をする

債権譲渡を行う場合は、原則として譲渡人が債務者へ通知をしなければいけません。例えば、AさんがBさんにお金を借りていて、BさんはCさんに債権を譲渡したと仮定しましょう。この場合、通知義務があるのはBさんです。

Bさんが通知をしなかった場合、Cさんは対抗要件を取得できず、スムーズに債権を回収できなくなります。トラブルになりやすい部分なので、通知は必ず行うようにしましょう。

債権譲渡禁止特約に注意

債券の中には、債権譲渡禁止特約がついているものもあります。債権譲渡禁止特約とは、債券の譲渡を禁止するルールのことです。例外もありますが、基本的にこの特約がついている債権は譲渡できないので注意しましょう。

ファクタリングと債権譲渡の違い

ファクタリングと債権譲渡では、目的や手続きが違います。扱える債権やかかる手数料なども違うので、注意しましょう。ここでは、そのようなファクタリングと債権譲渡の違いについて説明します。

金銭の受け取り方が違う

債権譲渡は、契約の時点では受け取れるお金が決まっていません。債権回収に失敗した場合は、お金を1円も受け取れないと同時に手数料分だけもち出される可能性があります。しかし、ファクタリングは契約の時点で受け取れるお金が決まっています。

それは売掛金から手数料・その他費用を引いた金額です。そのため、ファクタリングの方が安心して入金を待てると言えます。

目的が違う

債権譲渡の目的は、不良債権を処理することです。例えば、取引先が倒産したとしましょう。この場合、債券の回収は不可能です。しかし、取引先企業から債権譲渡を受けていれば、第三債務者へ金銭の取り立てができます。

このように債権譲渡は、債権回収の選択肢を増やしたり債券未回収リスクを下げたりする手段として使われる傾向があります。一方でファクタリングは、売掛金を期日前に現金化するのが目的です。

売掛債権をファクタリング会社に売却すれば、最短即日で現金を確保できます。償還請求権なしで契約を結べば、利用者は取引先企業の倒産リスクを負わずに済みます。そのため、ファクタリングは売掛先の倒産リスク回避を目的として使われる場合もありますよ。

手続きが違う

債権譲渡は、以下の流れで手続きを進めます。

1. 契約
2. 対抗要件の具備
3. お金の受け取り

一方でファクタリングは、以下の流れで手続きを進めます。

1. 申し込み
2. 審査を経て、取引の説明を受ける
3. 買取金額が入金される

ファクタリングは、債権譲渡ほど複雑ではありません。そのため、初めてでもスムーズにサービスを利用できるでしょう。

扱える債権が違う

債権譲渡は、売掛債権の他に貸付金債権も扱えます。一方、ファクタリングは売掛債権しか扱えません。そのため、活用できる債権が多いのは、債権譲渡の方と言えます。

かかる手数料が違う

債権譲渡は、無料で利用できる場合もあります。しかし、ファクタリングでは必ず手数料が発生します。コストが気になるなら、債権譲渡の方を選びましょう。

契約形態の選択肢が違う

債権譲渡は、3社間でしか契約を結べません。一方、ファクタリングでは2社間と3社間のどちらかで契約を結べます。取引先企業に自社の経営状況を知られたくない人は、ファクタリングの2社間で契約を結ぶようにしましょう。

ファクタリングと債権譲渡ならどちらがおすすめ？

不良債権を処理したい場合は、債権譲渡の方がおすすめです。一方で、資金操りの改善が目的ならファクタリングの方をおすすめします。最短即日で資金を調達できると同時にバランスシートをスリム化できるからです。

なお、ファクタリングを利用するなら次の段落で紹介する2社がおすすめですよ。

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ファクタリングと債権譲渡の違いは6つ

今回は、ファクタリングと債権譲渡の違いについて説明しました。簡単に、違いを振り返りましょう。

• 金銭の受け取り方が違う
• 目的が違う
• 手続きが違う
• 扱える債権が違う
• かかる手数料が違う
• 契約形態の選択肢が違う

それぞれ目的に合わせて使うことをおすすめします。例えば、不良債権の処理が目的なら債権譲渡、資金操り改善が目的ならファクタリングがおすすめです。